アンムヌ手稿

音絵青説

[ PAGE0 ] 素人書記の端書

どこから書けばいいのでしょうか。


神を名乗るものが私を「書記」として指名した事からでしょうか。


私には「他人様に見せる前提の文章」を書いてきたような経験がないという事も添えましょうか。その話をするならば、私は幼い頃から文字を連ねるのが好きでした。しかし、私のその趣味はあまり歓迎されてきませんでした。学校にせよ職場にせよ、知り合った人たちの多くは「無駄の少ない簡潔な短文」を好む傾向があったので、私の冗長で余計に塗れた文字列は好まれなかったのだと自己分析しております。ただその癖は、つい最近、受け入れてもらえたのです。その人は読む分には楽しい(意訳:返すのは面倒)といってくれた。そんな出会いも書きたくなってしまいます。誰も見ない文字の羅列の束が、その山が、私の転居を幾度大変なものにしてきたか、という話もしてみたくなりますね。ただそれは私の自己紹介になってしまうのでここでは控えましょう。


ええ、ええ、そうですとも!私には果たすべき責務と使命があるのだから!閑話休題


ホルス刑事が「審判者」として聖具破壊の任を押し付けられた話からの方が伝わるかもしれませんね。


ああ、「聖具」というのは、ある人に神がその存在を示した際に「役職」と共に与えられる人知を超えた事物の名称です。必ずしも物体というわけではなく、概念であった事例も存在します。「役職」というのは神によって与えられた使命や義務のようなもので、これを果たさない場合罰せられます。それはそれは酷い具合に…。


時間がありません。


今はまだ、この世界は辛うじて存在を保っていますが、最早いつ崩壊してもおかしくないのです。いえ、すでに崩壊しているといった方がいいのかもしれませんが…。いずれにせよ、私に与えられた「役職」が「書記」である以上、これを全うしなければなりますまい。到底読み返しているような暇はないので、話にまとまりがないかもしれませんが、幸い質は問われないようです。神からのお達し、「天啓」の一部を下記に添付しておきます。


Dear Unmunu世界がどういう様相であったかを書いていただきとうございます。わたしが示す人物やテーマをなぞりつつ、という要求がございます。仔細の情緒を事細かに、あなたの力量で構わないので記してくださいね。そいつを「次の世界」に渡せればいいのでね。時間はあんまりありませんが、まぁ、気楽にね。校閲に拘り過ぎて年単位で止まったりするのはやめましょうね。あなたの癖をわたしは知っていますよ^^なんていったって全知全能!ですからねわたし笑あと、「失敗を恐れない」でいてください。世界はどうもこの頃、失敗に手厳しいようですが、失敗ぐらい誰だってしますし、そいつを恐れてしまったら、あなたはなにもできなくなってしまうでしょう?声を奪われるぐらいならミスをしなさい、これは個人的なアドバイスです(ハート)まぁ、わたしは失敗しないんですけどねwなんせ全知全能なもんでwwwうん、あなたはあなたのままでいいよ。ありのままのあなたが好きだし、愛していますよ。脱線してもいいし、「どんな事があったか忘れてしまって整合性がないように見え」たっていいからね。手が止まるくらいなら、好きに書いてください。そうできる世界を作ったんだよ。全知全能なわたしが。そしてあなたの住む星の人々が。連綿と着々と、築き上げてきたのですから (:with love KAMISAMA


というものでした。次の世界…そんなものがあるかどうかもわかりませんが、もし誰かがこれを読んでいるならば、つまりはそういうことでしょう。おめでとうございます!世界は壊れても生まれ変わるみたいですね!ああ、なんとスバラシイ…神からはもう一点大事な天啓がありました。端書に下記の注釈を付ける様にとの注文です。これ原文ママで添付しておきます。


このお話は以前の世界のお話。あなた方の世界からみていってしまえばそれは「フィクション」であり、あなた方の世界の実在及び非実在のいかなる物体や存在(人物、団体)、事象や概念、とも関係がありません。ついでにいうと「神」の概念や立場やら、その意味するところが多分違いますね!わたしはKAMISAMAであって他のナニモノでもないということです。勘違いしないでよね?わかりましたか?なにせ、宇宙定数からして異なるのですよ?都市の名前だって前の世界の人たちが勝手につけたものですからねぇ。文字もその音も恐らく異なりますけど、そこは私がいい感じに加工してあなたの世界の言葉にしますんで、そこに大した意味はないですよ。まぁ、漢字とアルファベットを使い分けてあるように見えるならば、それは原文でも異なる言語で使い分けられていたということです。OKay?つまりさ。私は何の責任も負いませんってこと(^ν^)hehehe XD


さて、そろそろ本題に入りましょう。纏まってはいませんが、思い出しながら、言葉を選びながら、なんとか書いてみます。


そう、最初は小さな事件から始まったのです。

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