プレバト俳句 金秋戦2023の予選について

滝口アルファ

プレバト俳句(2023年9月21日放送)より

今回もプレバト俳句を楽しく拝見しました。

私は、俳句を作るのは苦手なのですが、

俳句の添削を考えるのは、好きなんですよね。

岡目八目(おかめはちもく)でしょうか。

我ながら不思議に思います。


さて、今回のお題は「お蕎麦屋さん」。

前回が「夜食」でしたので、

2週続けて、食べ物のお題になりました。

そんな中、夏井いつき先生は、

永世名人・フルーツポンチ村上健志さんの俳句を

評価されていましたが、確かに良い句だったのですが、

私はまだ添削の余地があるように感じました。

それでは、村上さんの原作の俳句を見てみましょう。


蕎麦猪口の藍に濃淡水の秋


蕎麦猪口(そばちょこ)は、蕎麦のつゆを入れる器のことです。

「水澄む」という秋の季語の傍題が「水の秋」です。

つまり、「水の秋」とは、水の澄んでいる秋という意味です。

さて、直すべきポイントは2つ。

1つは、季語が適性か?

もう1つは、語順が逆ではないのか?

この2点に留意しながら、添削例を挙げてみます。


1 蕎麦猪口の藍に濃淡秋の声

2 秋風や蕎麦猪口の藍色淡し

3 満月や蕎麦猪口の藍色の濃し

4 秋高し蕎麦猪口の藍濃く淡く

5 月の夜の蕎麦猪口の藍濃く淡く

6 星月夜蕎麦猪口の藍濃く淡く


こんな感じでしょうか。

私がいちばん気になるのは、

「藍」と「水」との取り合わせが、近い(安直)ということです。

ここは思い切って「水」という言葉を断捨離して、

「水の秋」をほのかに薫らせるほうが得策だと思います。

語順に関しては、月や星などの大きなものから、

だんだんと蕎麦猪口の藍へクローズアップしてゆくのが、

詩的に美しいのではないかと思います。

そうすると、天と地のコントラストも効いてきますからね。


今回は以上です。





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