第2話 迷宮発見

あれから悪逆天神と言う存在によって、どこかも分からない場所に転移して来た。周囲を見渡してみるとそこは紛れも無い墓場で、辺りにゾンビが蠢くゴミみたいな景色だった。それから取りあえず戦闘を始めてみる事にする。


目の前にいたゾンビに先ずは走って近づいてみようとしたが、そもそもこの肉体がゾンビになっている影響なのかは分からんが、あんまり早く走れないし筋力が無い感じがしていた。と言うかこんなドタドタしても気づかないって、ゾンビって耳聞こえないのか?まぁ良いか取りあえず倒してから考えてみよう。


それからさっきとは反対でゆっくり静かに背後から近寄って首を絞めてみたが、ゾンビは苦しそうな呻き声を上げながらも必死に私を殺そうとしてきた。それに対して私は「不死身かよ」と言いながらそこらにあった崩れた墓石で頭をぶん殴った。だがそれでも起きようとゾンビが動くから、私はゾンビが動かなくなるまで全力でぶん殴り続けた。


《新しく戦闘系スキル<殴打Lv1>を習得しました》


そんな感じで新しいスキルを習得してから、なんでこんな墓場何だろうとか思いながら色々探索をしてみるが、やっぱりゾンビが結構ウザかった。と言うのもあいつら基本邪魔とかせずにそこらをほっつき歩いているだけだけど、あんまり近づき過ぎたら容赦なく殺しにかかる。


「マジで面倒くさいなぁ」


そんな事を思いながら面倒だと思いつつ背後からゾンビを撲殺すると言う工程を何度か繰り返したが、多分新しく習得した殴打のスキルで、結構ダメージが上がってるなと思いながら続けていたらまた新しいスキルを習得した。


《新しく戦闘系スキル<隠密Lv1>を習得しました》

《新しく戦闘系スキル<消音Lv1>を習得しました》


そんなスキルを習得してからもどんどん探索を続けていくとやがて一つの墓場にたどり着いた。そこはこれまでの様なボロボロの崩れた様相と違って綺麗に整えられていた。


「何かこの墓だけ綺麗だな何かあるのか?」


そんな事を思いながら取りあえずは一旦無視して、他の所の探索に行ってみたらそこには小屋が有った。多分だが墓守か何かかと思いながら小屋の中に入ってみると、これまでの様な張り詰めた戦場の様な空気感から落ち着いて、そんなことが無かったかのようにごく自然な空気で溢れていた。


「所謂セーフティーゾーン的な物かな?」


そんな事を思いながらやっぱりさっきの綺麗な墓石が気になって探索に行こうとしたら近くにゾンビが居て、こっちに向かって勢いよく動いて距離を縮めてきた。ステータス上では多分上下なしで完全に同じに加えてあっちは既に走っている。


「戦うしか無いか」


そそう呑気に言いながら石を構えて待って居るとゾンビは私に纏わりついて来て首筋に噛みついて来た。流石に私も予想外でかなりの苦しみが襲ってきたが、事前に痛覚設定を30%に抑えていたからこの程度の痛みで抑えられた幸運に感謝しながら、手に持った石で相手のゾンビが抱き着きながら首筋を噛むと言う行動に出たお陰で、ガラ空きになっている背中を石で殴打しながら相手の絶命を待った。


そして確かにゾンビは絶命したが、それは私にも言える事だった。ゾンビが倒れる瞬間に私も絶命して気が付いた時には、さっきの小屋で目が覚めていた。


「初死がこれって情けなく感じるんだが」


んな事を愚痴りながらも改めて周りとは一段と浮いた墓を鑑定してみると、どうやらこの下に何かが有ると言う事だけは分かった。


名前 墓石?

分類 ??

品質 ??

説明 墓石と思われる物


こんな感じの鑑定結果が帰って来た。因みに他の墓石も鑑定してみたが分類の欄が設置物となっていて、品質の欄がそのまま?だったが、名前の欄の墓石の横に?は付いて無かったし、説明欄にも死者の魂に安寧を齎す為の物と書かれていてこれだけが妙に浮いていた。


それから取りあえず色々弄ってみると、墓石の裏に何やら魔法陣的な物が有って、それをタッチしてみると墓石は消えて墓石が本来あった場所には地面の下に続く階段が現れた。


《新しく迷宮<死者であり使者である者の迷宮>を発見しました》

《初回発見ボーナスとしてSPを10取得しました》

《未発見迷宮を発見した事によりボーナスとしてSPを10取得しました》

《新たな迷宮を発見をしたことによりSPを5取得しました》


《新たに称号<蛮勇者>を習得しました》


称号を習得した事で何か変わったのかと聞かれるとそうでも無く多分だが、記念称号何だろうなと思いながら迷宮に足を踏み入れる事にするが、その瞬間根源から恐怖が形を伴って襲って来る様子を幻視してしまった。それによって次の瞬間には恐怖で腰が抜けてしまった。


《新しく耐性系スキル<恐怖耐性Lv1>を習得しました》


そんな新しいスキルを横目に私は静かにその場から離れて、先ずはあの迷宮に挑むべく自身を強化しようと思い取りあえず自分を鑑定する事にした。


名前 アイシス・テルメシア

種族 純血レッサーゾンビ


スキル

種族系スキル

腐体Lv5.

異能系スキル

体力微回復Lv1.鑑定Lv1

戦闘系スキル

体術Lv1.格闘Lv1.殴打Lv1.隠密Lv1.消音Lv1

魔力系スキル

魔力感知Lv1.魔力操作Lv1

生産系スキル

加工Lv1.解体Lv1

耐性系スキル

神聖脆弱Lv10.聖銀脆弱Lv10.陽光脆弱Lv10

SP 25


称号

<始祖の血族><悪逆なる神の加護><蛮勇者>


ぶっちゃけかなり弱いと言える。何せ戦闘系スキルは当たり前の様に全部レベル1だし脆弱系のスキルの内の陽光脆弱のせいで、多分だがそもそもここの外に出られないんじゃないか?とか思いながら見ていたがそう言えばSPとか言うのあったなとか思いながらちょっと覗いてみる事にした。


そこには数々のスキルが並んでいてしかも上の方にあるのは全部1で習得することが出来るスキルらしくて、これは手っ取り早い強化手段になるぞと思いながらスクロールしてみると、結構強そうなスキルが数々あった。


その筆頭が魔王と言うスキルらしくて、これは魔物種族のみが習得できるスキルで特別な称号とかが無いとダメらしく、私の場合は始祖の血族と悪逆なる神の加護によって習得可能欄に入っているらしい。


「まぁ消費SPが100とかの化物消費量じゃ無きゃの話だけどね。」


と言うかこれ単純に言うなら習得する労力をスキップする程度の存在でしかない。まぁその苦労が面倒くさいと言うのもあるが、特定の強スキルとかは習得するのに前提スキルが必須になる。例えば<魔法操作>と言う発動した魔法の軌道を操作出来るスキルを実力で習得するには、先ず<魔力感知Lv10>と<魔力操作Lv10>が最低限必要で、その上で<見識眼><術式観察>のスキルが必須らしい。


まぁ簡単に言うと面倒くさい事この上ないまっその苦労を短縮するのがSPシステム何だろうけど、前提スキルが必須な当たり、あっても無くてもそう変わらん気がしてならない。


「正直今の状況だったらかなり嬉しいけどな」


そう思いながら消費SPが1のスキルを見て習得してもよさそうなのは習得していく事にする。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る