第1話 キャラメイク
そのワクワクした感情を胸に抱いたままにゲームの中にログインしてみると、もはやその時点で私は圧倒されていた。地獄と言う言葉すら生ぬるいその場所には確かに地獄の中の地獄があった。その場所で私はそれに圧倒されていると、目の前に画面が出てくると同時に何者かが私の背後に立っていた。
私の背後に立っているものが誰であれ、私には死しか感じられなかった。この地獄と評する事すら生ぬるいと言える雰囲気を更に超えてくる絶対なる死の気配が背後に立っていた。
「悩み怯える必要は無い小娘よ。私の名は悪逆天神…この世の悪の理を支配せし天神だ。この様な場では相応しくないとは思っているが、まぁ許せこれは本来ならば生誕天神の管轄であるが、どうしても私としてもやっておきたい事があってな。」
天神と言うのは聞いた覚えがある。確かこのゲームの世界を正常に運営するために、大いなる造物神より作られた創造神から生まれた天神地位と言う奴らしく、メタ的に言うと広大な世界を管理するAIだ。まぁ唯のAIじゃ無いよなぁとか思ってたけど、とんでもない化物だよなぁ
「これより貴様は我らの世界での誓約を幾つか結んでもらう事になる。」
そうして背後の悪逆天神さんが言った途端に目の前で、放置されていた画面に名前欄が出てきて、現実世界での本名を書けば良いらしく普通に書いて、その後の反応を見てみると新たに設定画面と言う物が出てきて、そこにはPVP要素の可否や痛覚のパーセンテージだったりの設定画面で私はそれに筒がなく回答していった。
「そうかその選択をするのか、まぁ私に止める権利も義務も思いも無い故に次に移るぞ、お前にはこれよりあちらの世界での名前を決めてもらう事にした。あちらの世界での名前には必然的に力が宿るあまり適当に着けぬことだぞ。」
そう言われて私は今は機能の殆どが驚きと恐怖でショートしていた脳みそをフル回転させて、良い名前を思い馬部ながら名前を決めた。
「だったら私はその世界でアイシス・テルメシアと名乗ろうかと思ってるけど良い?」
「あぁ良いぞならばそれで決まりだな、さてと次はお前が我らの世界で活動する肉体の調整をしろ」
それから目の前の画面にはとんでもない量の全身パーツが表示されて、私はこの雰囲気だけで若干萎え始めた。このゲームでは旧時代のVRMMOの様に、現実の肉体から過度に変更された容姿には出来ないとかの制約は無いから普通にこれもOK何だろうけど、それにしたってパーツが多すぎる。
「お前…もしやそれに大幅に時間を掛けるつもりが?私はそんな無駄な時間を過ごすつもりは無いさっさと作れ」
そう言われては私も早めに作るしかないが、それでもこれから人としてプレイするのかそれとも魔物プレイするのかそれすらも決めてないなら作れるものも作れない
「先ず初めに聞きたいんだが、どんな種族でプレイするか先に決めても良いか?」
「あぁそうだったな先ずはそれを決めなければならないか。うんうっかりしていた」
その次の瞬間に画面に出てきたのは、これまでのアバター作成画面じゃ無くてたった一つの魔物の名前だった。それは吸血鬼と言う種族名しか無かった。
「こういうのって色んな種族から選択するんじゃないのか?」
「うん?まぁそうだな本来は。だが私は生誕天神では無い私が出来る事と言えば私の支配下である魔物にお前を憑依させることくらいだ。そしてその中でキャラメイク可能となる。とぐっと少ないその数少ない例外がそれだ文句は言うなよ。」
「吸血鬼かぁだったらこんな感じかな?」
それからさっきとは違って、スムーズにキャラメイクが出来た。その結果出来上がったのは、先ず顔の方は赤と黒のオッドアイのツリ目にした。そして顔立ちもシュっとさせて身長の方もリアルの方が165㎝だったが、アバターの方は180㎝と高身長に設定して、それから髪の方はまるで血を被ったような深紅色の長髪にした。
「これで決定だ。それで後のキャラメイクは何だ?」
「この短時間で随分図太くなったね。それじゃあ次はスキルの選択に移ろうか、君は初期スキルとして5つ選ぶと良い」
そこから膨大な数のスキルが出てきてそこからどんなスキルを習得しようか悩んでいながら長い時間を要する事で何とか決めきれた。
鑑定・色々な所を観察し例えば薬草が取れる場所を示してくれるらしいでも自分が本でが見たもしくは実際に足で掴んだ情報など知識が伴っていないとだめらしいで後々便利になる気がするから取得しておく
体術・全体的な体の動きの無駄をなくし初心者でもある程度運動をしている人の体捌きを習得できるスキル
格闘・格闘戦の動きの最適化と威力の増加が見込めるスキル
解体・生物を解体するときに動きが最適化されるスキル
加工・あらゆる加工系スキルの原点で色々なスキルに派生していく
「ならば君はこれでその世界に降り立つと言う事で良いかな?」
名前 アイシス・テルメシア
種族 純血レッサーゾンビ
スキル
種族系スキル
腐体Lv5.
異能系スキル
体力微回復Lv1.鑑定Lv1
戦闘系スキル
体術Lv1.格闘Lv1
魔力系スキル
魔力感知Lv1.魔力操作Lv1
生産系スキル
加工Lv1.解体Lv1
耐性系スキル
神聖脆弱Lv10.聖銀脆弱Lv10.陽光脆弱Lv10
ハッキリ言おう弱いとそれに加えて吸血鬼じゃ無くて、ゾンビだしこれってどういう事かね?
「まぁ許せとは言えないなこっちを向いて良いぞ」
今の今までずっと背後から喋るだけだったが、漸く姿を見れるのかと思いながらそっちの方を向いてみると、美女が立っていた。モデルの様なプロポーションに目が行きがちだが、本来白目の部分すらも黒く染まっている目に加えて、髪はカラスの濡れた羽の様に美しく腰の部分にまで伸びたそれはその者の力を示していた。
うんまぁ下半身の部分が煙の様に消えていなかったらの話だがな。と言うか下半身の方はどうなったんだろとか疑問に思っていたが、彼女から直ぐに回答が出た。
「あぁこの姿か?まぁ済まないと思っているよ。私は嘗て…聖浄天神と争い負けて力の大半を失った。それを回復させるためには絶対なる魔王が必要だ。それに君が成って欲しいと思っている。仕方ない話だが弱体化した影響で、ゾンビとしてこちらの世界に送る事を許して欲しい」
そんな事を言いながら何かの魔法を発動させたのか、私が足元から徐々に消えていった。そのまま私は転移しようとしてチアが最後に彼女にこの言葉を伝えないといけない気がした。
「私はお前の考えを理解してみる」
それだけを言い残して私は新たなる世界に旅立った。
あとがき
☆や♡フォローは作品を投稿する上でモチベ上昇につながるのでよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます