第70話 情報共有

朝になっていつも通り窓から覗く朝日を眺めようと窓の外に顔をやったらなにやら小鳥から感じた覚えのある魔力と皮を足に結び付けた小鳥が居た。


この魔力...今の私にも分かります遠くにいても感じられるこの魔力は主様の魔力ですね。元々主様によって変えられた影響か、主様の魔力だけは魔力感知を持っていなくとも感じられますがもしやこの小鳥は主様の新たな眷属?


「今中に入れましょう」


そうして小鳥を中に入れると我が物顔で入ってきて足に結んである皮をこちらに差し出してきてそれを見てみると、血文字でペンと紙と書かれた。


「これは主からの命令ですかそれならば直ぐに買ってくるから待ってなさいそれに貴方の食料も買ってきましょう」


そうして私は一目散に作家やに入って目に入った紙束と魔力を通す事で文字を書くことのできるペンを買って、それから目についた風呂敷を買いその後に従魔店に行き小型の鳥用の餌を買い即座に帰還すると言う早業を見せた。


「先ず貴方の食料ですそれと私は主様に報告を書くので一先ず待ってて下さい」


それから2本買ったペンの内の片方を上げて鮮血君主に関する事と無名墓所に関する事それとこの街の領主の娘が恐らく主を追いやった魔法の使い手であることを簡潔に書いて、鳥に結ばせるここに来る前に買っていた風呂敷を取り出し買った物を包んで、小鳥に運べるか聞いてみる


「これ運べますか?」


「チチッ」


そう鳴きながら小鳥は上下に頭を振っているので多分行けると解釈して小鳥の方に差し出すと、餌を食べた鳥は窓の外に行き飛び去って行った。




「ははっは~面白まさか適当に眷属にした人がこれほどまで働いてくれるとは思っても居なかったあぁ私は良い拾い物をした」


そう笑いながら私は喋りながら送ってきた情報を見ながら考えるそれとそれを見て改めて自分を鑑定してみたら新たな称号が増えていた。


純血の吸血鬼 説明・吸血鬼の中でも特に貴重な純血を自覚した者に送られる称号

       効果・吸血種からの好感度上昇・他種族からの好感度低下


これはまぁ仕方ないですねこれを見る限り今私が来てる服である鮮血君主シリーズの元々の持ち主は相当怨まれても仕方ない人だしそれになぜ無名墓所?鑑定は無いのか?


「良しこれも伝えておこうなぜ無名墓所と伝わっているのかそれらについて知りたいですからね」


さてとこう呑気な空気に持っていくのも無理なんですよねぇ


戦鬼と炎人と言う二人の探索者がそちらに向かってると言う情報が入りましたしそれには後もう1週間程度で依頼から帰って来て、この迷宮を潰しに来ると聞いたらいても経ってもいられませんしどうしましょうかねぇ


そう頭を悩ませながら考えているがこっちもこっちで結構な問題が出てきたのだ。それこそ吸血衝動であり実はあの鳥を強化した段階で、自分の中の吸血衝動が出てきて抑えきれなくなりそうになったのだ。


今はあの鳥...ハラルが町に行ってから新しく取得した。汎用系スキルの理性Lv1によって、大丈夫だがこれが切れたら大丈夫じゃなくなるかもしれないと思うとこっちの問題も早く解決したいと思っている。


そう考えているといい案が思い付きそれこそ1人で来た間抜けを狩って血を吸血するという案で、まぁリアルだったら殺人と食人でダブルでアウトだけど今の私にそんな問題は無いも同然何せ、私は人なんかの脆弱な存在の倫理観に縛られぬ存在である吸血鬼であるのだから...


それから気配感知を極限まで働かせて一人で尚且つ強そうであるかを考えながら迷宮に案内する存在を見極めていく事にする。


それから約20分も経たずに一人の男が来て、その男からは覇気は無くそれでいて尚且つ魔力も弱いこれは手頃な獲物が来たと思い結界を弱めて誘導する。



「たったしかこの辺だった様な」


そう考えながら僕は迷宮を探すなにせこの初心者迷宮を探して内部を探索するだけで、報酬として莫大なお金がもらえるしそれにある程度の願いを叶えてやると言う破格の報酬...お母さんの病気を治すためにも僕が頑張らないと。


そう考えながらいつも通りの森を探索して1歩足を踏み入れるといつもとは違う雰囲気になったかなと思ったが、直ぐに勘違いだろうと思いなおし探索に戻る。


今この時引き返せばよかったと僕は死ぬまで公開する



あれから私が招いた存在が、この結界内に入ってきた感覚がしたから即座に結界を元の形に復元して、あの存在が来るまでじっくりとこの場所で待ち構える事にする。


「あぁそうだ半死鬼共に彼から隠れるように伝えなさい」


「分かりました」


私は近くに立っていた半死鬼の眷属にそう命じると、半死鬼は他の眷属にその事を伝えに行って私は迷宮の最奥...半死鬼の繁殖場所兼訓練階層である1階層を人具切りして、壁を作りそして壁を作った片方の部屋に半死鬼をそして、もう片方に私が待ち構えると言う形状になって、部屋の内装などは決めずにただ椅子だけがポツンと置かれているだけの簡素な作りの部屋になった。


「まぁ初めての客を出迎えるには簡素だしこちらは魔法が全然使いないと言う完璧には程遠いがまぁその時はその時だせいぜい楽しもう」




「ここが無名墓所やっと着いたけど墓地が無いしたしかこんな風じゃなかった筈だが」


あれからさらに5分ほどが経ちやっと来てくれた初めてのお客うーん痩せてるし気弱そうだしまぁ初めてのご飯にしては上等か...


「やぁ少年ここに来たと言う事は私に殺される覚悟があると言う事だなだからまぁ早速で悪いが死んでくれ」


そうして椅子から立って即座に首を取りに行ったが弱体化に弱体化を重ねてる今の私には多少の魔力が有るからと言っても変わるわけでは無く避けられてしまった。


「おっお前がこの迷宮の主か?

確かここはアンデットがボスの筈だ」


「ほう断言するかだがまぁそれは私が殺しこの迷宮は今や私の物となったそして今宵貴様を招いたのは、私の喉の潤いを満たすためである分かったら即座に死ぬことだな」


「いっいやだ僕にはやらなきゃいけない事があるんだ」


そう宣言する少年の何と純朴な事かこれが私ではなければ脆弱と煽り逃がしただろう...だが理性のスキルが働いていようともこの内に湧き上がる吸血衝動は抑えが聞かぬ


「よくぞ言った少年よだが私も吸血衝動が酷くて我慢できないのだ故に分かっているな戦闘だ」


そうして戦闘は始まったがやはりと言うべきがこいつは弱く今戦闘が成立してるのは私が弱体化に弱体化を重ねた影響が強く本来であればその刃は届きもしない程に弱かった。


だからと言うべきかこいつの刃が今の私に通るイメージが沸かぬこいつの刃は遅く弱い物だあぁつまらんそれならばこやつに生きる意味なし


「やはりつまらん今の私程度を相手にここまでとは予想以上にお前は弱い」


そうしてびっくりしたのか唖然とした表情のまま動かない少年に抱き着き少年の首元に牙を突き立てる


「あぁっ」


「ふふっ古来から吸血鬼の吸血には快楽が伴うと聞いたことが有ったがお前はどうだ?まぁ前に吸血した存在は抵抗したせいで聞きそびれたが少年はどうだ気持ちいいか?」


「あっふぁアッガァッ嫌だ死にたくない死にたくないよ...お...母さ...ん」


そう母への愛を口にしたまま吸血の果てに死んでしまった。やはり吸血衝動を抑えることは叶わなかったか、まぁ仕方がない吸血鬼と言う時点でこうなる事は予測済みだ。


《スキル<吸血Lv1>が<吸血Lv2>に上昇しました》


《条件を満たしたため進化が可能です》

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る