第17話音楽部は盛りあがる 新指揮者の決定 学園長の協力

沢村美由紀です。

瞳君がピアノで、ジャズやボサノバの名曲が続きました。

「A列車」「エイプリル・イン・パリ」「ムーンライトセレナーデ」「イパネマの娘」「ワンノートサンバ」最後は、「ヘイジュード」でした。


瞳君は、どんどんリクエストが来るけれど、即座に弾いてしまいます。

「本当はトランペット吹きたいけれど」と言っても、ピアノが上手過ぎて、またリクエストも多過ぎて、トランペットを吹く暇がありません。


トランペットの翔太先輩が提案を出しました。

「マジにやらない?ジャズコンボとか、ロックとか」


次期コンマスとみんなが期待する聡美先輩も真面目に考えて発言。

「いいと思うよ、オケの合奏だけが音楽ではないし」

「後は練習場・・・適宜、各教室を使わせてもらえればいいかな」


次期部長と推薦の声が高いのは、チェロの壮太先輩。

「具体的な案を出し合わない?」

「次の定演の曲も、変えよう」

「指揮者は、先生でもいいし、学生でもいいかも」


里香先輩が、翔太先輩に提案しました。

「翔太先輩は、指揮も上手ですよね」

「当面、お願いしたいかなあと」


華奈先輩も提案です。

「それまでの期間、瞳君が、第一トランペットで」

「先生が決まらなかったら、翔太先輩が指揮者で」


瞳君は・・・「え?」の顏です。

「ピアノもペットも?」

と言うので、全員が大笑いです。(ほぼ、大ボケなので)


そんな話をしていると、学園長が音楽室に入って来ました。

「次の指揮者は、今、条件交渉中です」

「おそらく、榊原さんが受けてくれます」

「元Nフィルの人、でも、今はシカゴで振っているので」

「そのコンサートが、1か月後」

「それが終わったら、ここに」

「ただ、Nフィルと掛け持ち」


音楽部の全員が、クールサインを出す中、瞳君は、「ため息」です。

「あの・・・」

「すごく強烈な、豪快な人」

「声は大きい、音楽もパワフル」


里香先輩が、瞳君に聞きました。

「瞳君、知っているの?」


瞳君は、苦笑い。(珍しい)

「親父の同級生で」

「よく家に来た」

「酔っ払いで、イビキがうるさい」

「ヴァイオリンは上手で、ジャズが好き」

「歌も上手い、編曲も好き」

「前の先生より明るいかな」


学園長は、ニコニコしています。

それと、いつの間にか、ピザを大量注文していたみたいです。

そのピザを配りながら(もちろん、部員も協力して)、車座の話になりました。


学園長は、音楽部全員に頭を下げました。

「今までごめんなさい、酷い指揮者で」

「でも、これからは、大丈夫」


音楽部の面々も学園長に感謝です。

「とにかくスッキリしました」

「瞳君には悪かったけれど、きっかけになった」

「希望が見えたような感じです」

「いい演奏会にしたいよね」


で・・・瞳君ですか?

いつの間にか、里香先輩にベッタリです。

マジに・・・妬けます。

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