第118話
今日は25日。クリスマスだ。本来ならひなという恋人とともに過ごすべき日。
しかし、ひなは家族を優先するため、今日は一緒じゃない。いや、そもそも私が確認していなかったのが悪いのだから、私のミスでしかない。
見えを張って昨日は友人と過ごすといってしまったが、クリボッチ。
どうしようかと悩んでいると従兄弟から連絡が来た。
まだ中学生の男の子と女の子の双子たち。どうやら妹のほうが友だちと映画に行く予定だったが、友だち二名が流行病で休まざる負えなくなってしまったようだ。
暇そうな兄と私を誘ったようだ。少し癪だが、私も暇なのでその誘いに乗ることにした。
兄の方は賢治。ゴツくてでかい。大型犬みたいなやつで顔は良いけどシスコンこじらせてる残念なやつ。
妹の方は姫華。名前が表す通り、可愛いけどあざとい。甘えたがりだけど残念な兄に対して割としっかりしてる。
生意気双子との待ち合わせ場所へ向かう。今日はなんとなく気分でこないだ純恋さんにもらった洋服で外出。裏起毛大事。
待ち合わせ場所についてしばし待っているとやたらと騒がしい男女がやってきた。
「おまたせ綾華ちゃん!」
「久しぶりだな!」
夏だというのに短いスカートの姫華。そして夏だというのにやたらと暑苦しい賢治。
季節感がバグりそうになりながらも挨拶を済ませて、映画館へ向かうことにした。
ちなみにいうと私よりも姫華のほうが身長が高かったりする。
私も低いわけでもなく、170あるかないかぐらいだけど、この妹は170ある。兄の方も180余裕であるのでこの二人といると高さまでバグりそうになる。
映画館に着いてポップコーンを各々2つずつ抱える兄妹を横目に飲み物だけ買っておく。
大食い兄妹を見ていると不思議とお腹が膨れる。この兄妹はどこまでもバグってる。
今日見るのは結構有名な外国の監督が手掛けたホラーものらしい。
話題作であるという点とクリスマスというのもあり、人が多い。特にカップルらしき男女たち。
ホラーはわりかし好きだから少し楽しみな気持ちがある。いい感じだったらひなとまた見に行こう。
ひなはホラーはあまり得意じゃないはず。ビビってるひながくっついてきていい感じになったりして…。
そういえば賢治はまだしも、姫華もホラー苦手じゃなかったけ?
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