第60話
結局あの後、紫苑に好きなものを聞くわけでもなく帰った。
しばらく悩んだ後に、紫苑なら『誕生日のため』と言っても遠慮するだろうから純恋さんに聞いてみることにした。
『誕プレ選びの参考に紫苑の好きなものについて知りたいです』とメッセージを送ってみると既読が着いた後、しばらく経っても返事が来なかった。
しかし、メッセージの通知が来て開いてみると一画面では収まりきらないほどの長文が送られてきていた。
いろいろ書かれていたけどよく分からなかったのでスクショしてアイラさんに送っておいた。
これで任務は終わり。
ちょうどその時、ひなからのメッセージが来ていた。
内容は昨日のお菓子についてだった。結局ひなはチョコレートプリンを作ったようで明日遊びにいく時に食べてねということだった。
私は少し考えた後にひなに返事をした。
『ありがとう。楽しみにしてるね』
『ひな、私朝からお仕事で疲れちゃった』
『だからさ、ひなの顔みたいな』
ひなはどのように返してくれるのだろう。
しばらく…10分くらい経った後にひなから電話がかかってきた。それも、ビデオ通話。
『も、もしもし…見えてるかな?』
「うん、見えてるよ」
ひなは自分の前髪を少し整えながら少し恥ずかしそうにしている。
『わ、あやちゃん、今日のお化粧はいつもとなんだか違うね』
ビデオ越しのメイクの違いという些細な変化も気づいてくれるなんてひなは完璧だ。
「あー…なんか今日は紫苑がハイになってたんだよね」
『えっ!紫苑ちゃんが?なんか気になっちゃうなぁ』
ネタバレ厳禁。紫苑がモデルになったことは隠しつつ、ひなとの雑談を続ける。
ひなは部屋着ということもあり、いつもよりもゆったりとした服を来ていた。少しくたびれたところや飼い犬ももたの毛がいくらかついている。
時折、ももたを膝の上に乗せてももたの様子を見せてくれている。
その際に見える短パンから除く白い足がまた綺麗で目が引き寄せられる。まぁ、ほとんどももたの身体で隠れてるんだけど。
この夏休み、私はたっぷりひなとイチャつけたのではないかと思う。そのおかげでひなも私も潤っている。
ただ本来の目的はそうではない。
夏休みが終わってからがこの計画の本命なのだ。
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