第33話
さぁ、しっかりと日焼け止めを全身に塗ったところで準備は整った。私はこう見えても泳げないので準備されていた浮き輪(おそらく杏が用意したもの)とひなの手を取り、海へと向かった。
「ふ、ふへ…推しカプのイチャイチャ…眼福…!」
「わかりますよ、杏さん…あやひなのアレは尊いですよね!」
「し、紫苑さん!」
杏と紫苑は趣味が合うようでガッシリと握手を交わし、涙していた。
ちなみに杏には昨日の夜に連絡をしてひなとやりたい事や計画などを伝えているので前もって様々な準備をしてくれているようだった。
限界化するのは良いけどちゃんと計画に付き合ってくれるよね?
「あ、あやさん…杏さんに聞きましたよ!私もご助力いたします!」
どうやら杏は仲間を増やしたようだ。
「あやしろ〜!何ぼさっとしてんだよ〜!」
「そうだぞ、あや!お前はあたしらの餌食となるが良い!」
紫苑に返事をしようと思っていると、ギャル2人組にダル絡みとして海水をかけられた。
翡翠さんの手によってひなとの繋がりは断たれてしまった。
「ちょ、あんま引っ張らないでよ。てか、海水あつ!」
夏の日差しによって暖かくなった海水に驚きながらも膝までを海につけていく。
水を掛け合うなんて定番イベントはひなとしたかったのに…!
恨みを込めながら楽しそうに海水をかけてくるギャル2人に思い切りかけ返す。
キャッキャっとはしゃぐギャル共を横目にひなに向き直る。苦笑いで2人を見ていたひなもこちらに気づき、どうしたの?という表情を浮かべている。
「きゃっ!ちょっとあやちゃん?!」
そんなひなに思い切り水をかけた。
「ひな、随分と無防備だね。ここは戦場みたいなもんだよ」
「ここは海だよ?!」
そうそう、私はあんなギャル共とではなく他でもないひなと……
「背中がガラ空きだぜ!あやしろ〜!」
「うおおおおお!ひなち姫をお守りせよぉ!」
私とひなの甘いひと時は一瞬で終わってしまうのだった……
「ふへへ…ギャル百合もいいですよね…」
「えへ、羨ましそうに見る日向さんもまた…」
「妹がオタクになってる?!」
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