第17話
モデルデビューして早1週間。私の予想通り私に話しかけてくる人もほとんどいなくなっていた。
ちなみにモデルのことはしっかりと学校に言ってある。普段から成績優秀でまじめな私は先生からの評判も良く、あっさりと了承を得られた。
モデルの仕事は週に2回で本当にバイト感覚だ。SNSのほうも順調ですでに3万フォロワーくらいがいる。学校でもフォローしてくれている人がいるらしいが興味はない。
今日の放課後もモデルの仕事があるため、紫苑とスタジオへと向かう。今日は人気モデルのAiraさんとコラボ撮影と聞いている。
「こんちはー、綾城でーす」
「よっすー」
純恋さんとは慣れたもので気軽に挨拶をする。紫苑とも慣れたもので紫苑からはあやさんと呼ばれている。紫苑の吃りのようなものもだいぶなくなっていた。
控室へ向かうと見知らぬ女性がいた。
「あ!紫苑ちゃんこんにちは。あなたが綾城ちゃんね。写真の通り美人さんねー」
「こんにちは。あやさん、こちらがアイラさんですよ」
「…はじめまして」
その女性はとてつもなく大人っぽく色気がマシマシだった。あまり相手について詳しくはないが紫苑は親戚のお姉さんくらいのテンションで接しているようだ。
「今日はよろしくね〜、綾城ちゃん♡」
「…こちらこそお願いします」
ウェーブがかった長い髪を撫でながら、ウインクしてそう言ってくる。
…正直言ってこういう人、苦手かもしれない。あまり深く関わらないようにしよう。
そうこうしているうちに、撮影の準備が整う。私も急いで着替え、紫苑にメイクしてもらう。
そしてアイラさんと共にポーズをとる。ときには体が密着してしまうような場面もあり、やたらと甘い香りに顔をしかめそうになるのをなんとか耐えた。
帰ったら念入りに体を洗おう…。
甘すぎる香りに吐きそうになりながらもなんとか撮影を終えた。
今日は週末。明日はひなと会う予定がない。しかし、このままひな成分を接種できないと死んでしまいそうだ。
『明日会えない?』
ひなにメッセージを送ろうかと思い、スマホを開くとひなからそんなメッセージが届いていた。
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