第2話
「明後日さ、泊まりに来ない?」
「ほら、三連休だしさ。今週は親も出張とかなんとかで家に誰もいないし。あのめんどくさい現国の作文課題も手伝って欲しいなぁって…」
ひなは友達の家に泊まるという経験がほとんどない。だからこそ少し無理やりな理由でも快く受け入れてくれるだろう。
しかし、ひなが私の幼稚さにときめいてくれるかもしれない、という期待を込めてあえて不安げに眉を
「…うん!私もあやちゃんとお泊まりしたいな。あやちゃんのお家にも行ってみたい。帰ったらお母さんに聞いてみるね」
ひなは少し呆けていたが、すぐににへらと柔らかな笑みを浮かべ、そう答える。その笑顔の破壊力のあまり私は一瞬目の前が真っ白になった。
今回、お泊まりに誘ったのは単純に仲を深めたいとか、課題を手伝って欲しいとかそんなものではない。
ひなを私のものにする
そんな野望が私の胸の内を渦巻いていた。だが、まだ早い。今、告白してもひなは前向きな返事をくれるだろう。しかし私にとってそれだけでは足りないのだ。
どろどろに依存しあい、私だけのものにする
それが理想のひなとの関係性。そのためにもひなには嫉妬心を持って欲しい。そしてそのどす黒い嫉妬心で私を檻に閉じ込めて欲しい。
明後日の土曜日。まずは親友として過ごそう。しかし、その日の夜からが本番だ。
繋いだ手を少し振りながら隣を歩くひな。友達とお泊まりというひなにとって珍しいイベント。ひなもまた浮かれているのだ。
安心して、ひな♡楽しませてあげるよ、土曜日の夜までは♡
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