第11話 怨霊祓い

電話をすると元気に応えてきた

「おおそっちから電話するなんて珍しいな」

「この前青森に怨霊化した霊が居るって知ってるだろ」

「まあ知ってはいるがそれがどうかしたか?」

「どうかしたってあの犬に依頼したのお前だろう」

「お前って自分の叔父にそんな言葉遣いするなよ」

「あんたには怨み辛みが沢山あるんだ」

そう言うと電話越しにでも分かるくらい落ち込んでいた

「まあそんなかっかすんなよで用はなんだ」

「怨霊化するのって普通生前相当の恨みの念があるからだろ?」

「そうだが」

「今回は何か違う気がするんだが何か知らないか?」

「うーん何かと言われても俺はそう言うケースにしか会った事しかないからよく分からん」

「そうかじゃあ」

そう何か言おうとしたがそんな事知った事はないと電話を切った。まああいつにも分からないなら俺の知らない所で何かが起きてる事は間違いはないまあ行けば分かるだろうとそのでかい木が生えている所を聞こうとし家に戻った

「あのもう一つ聞きたい事があるのですが」

「何かい?」

「そのでかい木が生えてる場所をお聞きしたいのですが」

「ああそれなら沙耶ちゃんが知ってるよ」

「もう行くの?」

「ああ」

そう言い靴を履き家を出た。そして十分くらい歩いて異変に気付いた

「此処からどのくらい離れてる?」

「うーん後十分くらいかな」

「じゃあ場所教えてくれそれにお前は帰れ」

「え?なんで?」

「これは俺の仕事だお前に危害は与えられない」

「危害ってまだ場所まで離れてるのに」

そう言って事態の恐ろしさを知ったのか僕に問いかけて来た

「もしかしてそんなに離れててもその怨霊化って分かるの?」

「ああ」

「だとしても私が此処まで来たのはお祖父ちゃんに会う為だから今更帰らない」

小鳥遊から覚悟の眼差しを感じて多分何を言っても無駄だと悟りこれ以上言うのは時間の無駄なのだと理解した。

ここまで危険な感覚を覚えたのは今まで一度だけだった。

それは叔父とちゃんもの家の山の奥に古びたでかい祠にふざけて入った時だった、中には沢山のお札が張ってあり不気味だったその祠の中に小さな箱がぽつんと置いてあったのだがそれにも沢山のお札が張ってあったのだがそれに触れた瞬間に今まさに感じてる恐怖を体感した

その後倒れて箱の異変に気付いた祖父ちゃんが祠に飛び込んできて僕に平手打ちをして直ぐにお清めの儀式をして何とか事態が収束した。

まさにそれと同じ感覚は多くの呪いが溢れてる東京や京都でも感じてないしこんな田舎で放置いたら村一帯の人間が呪いの波に呑まれて全員死ぬ。

今の自分に出来る事なんて何もない、そう思った瞬間小鳥遊が僕に励ましなのか何かは分からないが叔父との思い出を話始めた。

「叔父ちゃんはさ本当に優しい人で私がなす事全て肯定してくれたのでも私が叔父いちゃんの家に仕事で一緒に行けないってなってすねて起源が悪い時此処に連れてってくれたの此処には良い思い出しかないってお祖母ちゃんに結婚をしようと決めたのも仕事を引退した時も何故から此処にくると何故かこの木に魅了されてなかなか言えなかった結婚も言えたし此処には良い思い出しかないって。」

僕達に背を向けてその木を見上げて不気味に何とか人間の形は保っているが体からどす黒いオーラを纏って微動だにしないそれがとても不気味であった

「叔父いちゃん!!」

そう言って怨霊化した自分の叔父に近付こうとした小鳥遊を無理やり抑えた

「なにやってる!!」

「なにって」

「お前にも見えてるだろ、あれはもう話す事も出来ないって」

「でも」

「でもじゃないこれは俺になにか出来る事はない東京で冷媒やってる叔父の知り合いに連絡するからもう俺らは帰ろう」

「でもまだ何も言ってない」

「言うってあれはもう話せないって」

そう言うとそれを越すでかい声で涙ぐんで僕問いかけた

「まだ謝ってない」

「謝る?」

「うん、最後に叔父いちゃん私に話す事があるのって言ったのに私部活とか忙しくて病院に行かなかった、でもそれはただ死に目に遭いたくないって言う私の我が儘だった」

その告白に自分の中の何かを重ねた。幼き自分がそうだった事それを後悔して悔やみ続けた事を思い出した

「分かった、でも時間はない持って一分だ」

「分かった」

「いいかお前とお前の叔父の間に結界を張る、それには十メートルは近付く必要があるそれにはとてつもない程に本人が受けてる恨みを感じるそれ自体はこれ程の恨みの念だ普通の人間なら簡単に死ぬ、けど霊にある程度耐性を持ってるお前なら三十秒くらいなら大丈夫かもしれない俺もこれに関しては経験がないので持って一分だそれはいつ壊れるか分からない。」

「なら直ぐ終わらせるその後は何とかしてくれるんだよね」

そう言って叔父の方に足を向ける。正直此処までと思わなかっただから出来る事をしようと思ったってかやらなければ二人とももれなく即死だ覚悟を決めて指を二本立てて下から上にと叔父に教わった物を復唱しながら結界を張る

「叔父いちゃんごめんねあの時すぐに行けなくて多分叔父いちゃんが怒るってるのはそのせいだよね怖かった大好きな叔父いちゃんが死んじゃうのがとても」

「もう持たないぞ早く離れろ!!」

そう言った瞬間言葉も喋れないだろうと思ってたのにそれを覆すように小鳥遊の叔父が喋り始めた

「う、う、ち、が、う、さ、よ、は、わ、る、く、な、い」

「叔父いちゃん頑張って」

もう抑えられない普段からちゃんと鍛錬すればもっと耐えられるかもしれないと後悔した瞬間に結界がぱりんと破れた。そして結界がまた張られた。その事実に混乱した瞬間に隣に二十代くらいの男が立っていた

「餓鬼が遊びじゃないんだぞ!!」

「あんたなんなんだ」

「そんな事今はどうでもいい」

確かに今は怨霊化したのをどうにかしなければいけない

「まだ霊力あるか?」

「あるけど少ししかない」

「ならいい、俺の後の真似しろ」

そう言われ指示にしたがった。

やがて怨霊化した小鳥遊の叔父は段々と灰になり自体は収まった

「あんたなんなんだ、、、」

僕はそのまま気を失った。

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