第8話

 チュートリアルについては、はじめの設定の時にサポート役のひとが教えてくれることだ。

 まず、冒険者連盟ギルドに行ってギルドカードをつくってもらうこと。

 このゲーム世界では現実世界より重要なのがどこの誰かということ。

 そのため、街の出入りにも必要な身分証を簡単に発行出来るギルドにすぐに行くのは鉄則である。


 他に身分証として使えるカードはあるが冒険者のギルドカードだと街の入場料がないのが魅力的である。

 商人ギルドや鍛冶ギルドなど他にも色々とあるが、どうしても入会金が高いため登録するものは少ない。


 2つ目のチュートリアルは、何かで新しくお金を手に入れる事。すると、次の街に入ることが出来る。

 それだけでチュートリアルは終了。

 ゲームの自由度が高いからこそ、すぐにでもゲーム内で遊んでほしいというゲーム製作側の気持ちです。(従業員一同 。作った側も早くやりたいので頑張ってます。)


◇◇◇


 ラビックは一応メインの通りに出てから冒険者連盟ギルドに向かっていた。周りからかなり見られていて緊張するが、とりあえず冒険者連盟ギルドを探していた。

 すると、歩いて200メートル先の右手側に大きな建造物が見えてきた。さらに、看板には剣と盾が描かれておりひと目で危ない感じが漂ってくる。


 ただ、ラビックも用があるため、うるさくならないように入店していく。

 扉を開けたときに聞こえていた声が少しずつボリュームダウンしていき、ラビックが店に入り一歩進むと店にいる客やスタッフがラビックをガン見していたり、チラチラとうかがうような感じで見てきた。


 ラビックも少々びっくりして後退りしてしまったが、すぐに気を強く持たないと駄目だと思い、お店の右側にある受付のようなものに向かってあるき出す。

 すると、ラビックに向けられた視線が少々なくなっていったが、まだこちらを確認する奴らがいるのだった。

 だんだんと受付に近づいていたラビックに受付の女性がこちらに声をかけてくる。


 「お客様、本日はどういたしましたか?」


 「ギ、ギルドの、あの、カードを」


 「冒険者連盟のギルドカードでしょうか?」


 「そ、そうです。」


 「かしこまりました。では冒険者登録をさせていただきます。」


 受付嬢が引き出しから2枚の紙を出してテーブルに置いた 。そして受付嬢の説明が始まった。


 「まず、この左の紙がお手本なんですがこの紙に書いてあるように、名前・年齢・主要武器・できること。などのような事を書いてください。全部埋める必要はありませんので、とりあえず名前・年齢・主要武器を書いていただけるとこちらでもなにかあったときに探しやすいですから。代筆が必要になったらお声がけください。ペンは紙の横に置いてますのでご自由にお使いください。」


 「あ、はい。わかりました。」


 ラビックは特に代筆の必要がなかったので、名前はそのままで主要武器も剣を差しているので剣にして年齢もとりあえず15にしておいた。


 「あの、お姉さん。終わりました。」


 「あっ、終わりましたか。ですと、次に波形によるギルドカードとの個人の紐付けを行います。ラビックさんは知っていますか?」


 「い、いえ。わからないことが多いので。」


 「そうですか。なら説明させていただきます。

波形によると言っていますが1つのことをさすわけではないんです。

万物には力が宿るように誰でも力が宿っていて全く同じというわけではないのです。

たとえば一般的な魔力や神が使えるとされる神威、さらには、ワカツクニと言われている別大陸の武術で気という力があります。

それらの力が自身を通るときに1人1人固有の特徴があります。それを波形として捉えたものをギルドカードとの紐付けに役立てています。

ちょっと説明が長くなりましたが、テーブルの上にある水晶玉に手を置いてください。」


 「わかりました。」


 受付嬢の言ったようにラビックが水晶玉に手を置くと、水晶玉が少しの間だけ淡く光った。


 「はい、ありがとうございます。登録は完了です。これがギルドカードです。」


 「ありがとうございます。それと、ただ光っただけで大丈夫なんですか?」


 「?うふふ、大丈夫ですよ。ラビックさんが水晶玉などを見ていたり説明を聞いている間、私がラビックさんに最初に書いてもらった紙とギルドカードのもとになるプレートを水晶玉の台座にセットしておきましたから。あとは、魔導具である水晶玉がラビックさんの波形を感知してギルドカードを作ってもらいましたから。」


 「そうなんですね。」


 ひとまずギルドカードを作ってもらったラビックは、自身のギルドカードを見てみる。


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