第4章 43話 偽りの情報②

 玄関前の小道に、大勢の足音が響く。


 美しい淡黄色あわきいろの月が、冷たい空で輝いている。


 エレミアがペンダントを服から引っ張り出した。


 ペンダントについている霊石の力で、空間移動をして帰るらしい。


「今宵の月は美しいですね。見事な淡黄色です」


 ルーサァーンの言葉で、優夜は庭園に椅子を六脚並べた。


「ちょっと月見の会でも開く? 前みたいに夜長話をしようよ」


「いえ、長居はもっと罪ですから」


 オルージェは苦笑いする。


「……そうだよね」


 優夜は椅子から手を放すと、エレミアの隣に立った。


「四人一緒の空間移動は大変だよね。俺も霊力を貸そうか?」


「ありがとうございます、ミシュアーナさま」

「あっ、わたしも手伝います」


「そういえば、マリーユナさんは聖女殿で勉強中なんですよね。噂で聞きましたよ」


「はい。宮廷聖女を目指してます」


「それなら、私の後輩になりますね。がんばっているんですね。なんだかうれしいです」


 エレミアはうれしげに、花のようにわらった。

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