第7章 2話 もう一度だけ……②
朝、優夜とゆん菜は家を出、離宮に来た。カナルが待ち合わせをしていたからだ。
「ミシュアーナさま、ミシュアーナさまはいらっしゃいますか?」
外から、そんな声が聞こえてきた。
入口に走り寄る壮年の男性を、カナルが制していた。
「どうかお取次ぎを」
カナルがなんとか宥め、優夜を呼びに来る。
男性の顔を見た優夜は、カナルの言葉を聞く前に、自分から入口のドアを開けた。
いつもだったら、王族は従者が取り次いだ後で応対する。
「マリーユナさまは部屋から出ないでください」
カナルはゆん菜を室内に促す。
「あの人は?」
「ミシュアーナさま、南の地方で動物保護の草園を経営しているダーナさまです」
異世界には、ゆん菜が元いた世界にはない仕事がたくさんある。
草園とは、草原を保護しながら、そこに来る動物を育てる場所だ。
土地に税金はかからず補助金も出る。草園主は補助金と、自然観察に来る観光客の寄付金で生活している。
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