アラサーマスターとJKウェイトレスの日常

じん いちろう

第1話 プロローグ

「……………………暇だな〜?」


「……………………暇ですね?」


学生は、夏休み初日の蒸し暑い午前中。

モーニングタイムも終盤、最後のお客様が出て行って、片付けも直ぐに終わってしまい、


「……………………暇ですね?」


「……………………暇だな~?」


「モーニングタイムの売上、3組5人でしたね?」


「そうだね〜、2,500円、税込み。」


「私の時給は?」


「950円✕3時間……………………」


「……………………私の時給だけで赤字ですね?」


「……………………そうだね〜、暇だね〜?」


私、沙羅。JK1。

初めてのバイトが、ここ、『喫茶ルリ』

今日で、丁度、勤務開始から1週間。

暇です!


2日目に、マスターに、『ルリ』って誰ですか〜?って聞いたら、


「大昔に片思いしていた、幼馴染み。」


マスターは、独身。

モテそうなのに。不思議。


「……………………暇ですね?私、必要無いのでは?」


「そんな事無いよ〜、沙羅ちゃんが来てくれてから客数5倍だから〜。」


……………………以前は、今の、五分の一?

私、喜んだほうがいいのかな?


暇ですっ!

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