第2話 9月21日

今日は公園で気になる子供を見つけた。


公園では小学生ほどの年齢の子供が、たくさん遊んでおり、子供らしいにぎやかな笑い声で溢れていた。


そのなかに1人、独特の雰囲気があり気になる子がいた。


その子を見つけた時には、小さな子に混ざり砂遊びをしていた。小さな子達は、おそらく小学2生か1年生ほどだろう。

男の子も女の子も関係なく、一心不乱に砂の山をみんなで作っていた。


子供たちはみな、バケツに溜めた砂を集めてたり、スコップで砂を均したりと、幼いながらも協力していた。


その中で、その子だけは周りの子と協力する事がなかった。それは、その子が無視をされていたり、1人勝手に行動していのではない。


はたから見ると"自然"とそうなっており、あらかじめ決められた手続きのようにも見えたのだ。


そして、土の山ができかける頃には、その子はその場から離れ、別の子供の和に"自然"と入り込んでいた。


新しく入った子供の和でも誰もその子を気にしていない様子だった。


そんな不思議な子をじっと見ていたその時だった。


くるりとその子がこちらを向き、あどけない表情でこちらに笑ったのだ。


とっさに「まずい」と思った。観察していたのがバレたのだと。


私が内心焦っているとその子が駆け出した。

思わず腰が上がりそうになった私の側を、その子は走り通り公園の入口へと向かっていく。


ほっと胸をなでおろしつつ、子供の様子を伺うと私は再び驚いた。


子どもが駆ける先には、昨日観察したあの赤い服の女性がいたのだ。


私が驚いている事など知らない二人は、手を繋いで公園を去っていた。


私は高まる鼓動を必至におさえ、"観察"の楽しみに酔いしれていた。




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