18年ぶりの歓喜

１８年ぶりの歓喜

18年まえ

あの頃はここから黄金の時代が始まると思っていた。

朝が来て、昼を追い越し、夕方に逢い、夜を迎えてま

た朝が来る、そんな当たり前の時の流れと同じ様に

この歓喜をまた味わえると信じていた。

先が見えない暗闇を抜けて、ついに浴びた光の鮮烈

さ、そして立て続けに手に入れた栄光の心地よさ。

でも、その栄光の果てに呪いを受け、そこから終わり

の見えない永遠が始まる。

漂うように時間が流れて。届きそうで届かない、掴ん

だと思ったら手から擦り抜けてゆく。

真綿で首を締めるように少しずつ味わう地獄の日々。

しかし、地獄の果てに新進の若武者が創り上げた軍団

を、老獪な老将がまとめ上げ、ついに終わりのない

永遠に終止符をうつ。

ああ長かった……生きてるうちにまた味わえた。

願わくば今度こそ黄金の時代が訪れることを、そして

18年まえの呪いを解きに行こう。