第10話 ユニコーンとカジノ


 ギルドに向かうと喧嘩をしているのか“ガッシャーン”と言う音が響き渡る。

 どれどれ、ドルじゃねーか!しかも勝っている方だ。

「僕達は新人だけどそんなお前らは新人にも負けるようなルーキー以下だな!」

「このやろう調子乗りやがって!」

 相手が剣を抜いたので俺らが入っていく。

「はいそれまで」

「ギルドでの私闘は禁止だろ」

こんな子供相手に剣なんか持ってどうすんだよ?」

「新人いじめもほどほどにな」

「ば、別にいじめてなんか」

「あんまり度がすぎると俺らが出てくる

ぜ?」

「な、なんであんたらが?」

「弱いものいじめが嫌いだからだよ」

「そ、そんな事で?」

「顔は覚えたからな」

「ひ、ヒェ」 

「分かったらさっさと散れ」

 冒険者A・Bは逃げていった。

「ありがとうございます」

「いいよ別に、それより大丈夫か?」

「はい」

「何の依頼受けるんだ?」

「最初だから薬草採取です」

「おう。それがいいと思うぜ!」

 ドルたちは意気込んで薬草採取に行っていた。

「俺たちはどうする?」

「なんかあるかな」

「あ、ユニコーンがありますよ」

「あいつらすぐ逃げちまうじゃねーか」

「んー、音爆弾か閃光玉で行けないかな?」

「試しに行ってみるか」


 森の奥深くにいるらしいユニコーンを探して回る。大体出る位置は決まっているそうだが、なかなか見当たらない。

「あ、たぶんいた」

「なんだよたぶんって」

 マップに赤い点がある。

 遠くからでも逃げるらしいので近くに行ったら両方いっぺんに出すことにした。

「いくよ」

「閃光弾&音爆弾」

“パァン”と音がしてみるとユニコーンが倒れていた。

 止めを刺してアイテムボックスにしまう。

 何とかとれたが割に合わないんじゃないかな?


 ギルドに戻りユニコーンを出すとオークションに出品すると言われる。

 まぁ、いいですけどね。

「いくらになるかな?」

「でもだいぶお金溜まってきたぞ?」

「それでも、気になるだろ?」

「まあね」

 

 オークションは今週開催されるのでそれまでちょっと庭に水田でも作るかね。

 ネットスーパーに苗が売ってたからそれを買って稲作だ。

「何やってんだ?」

「実験」

「変な爆発とかやめろよ?」

「大丈夫だよ」

 粗方終わって、今度はオークションだ。


 オークション会場はまた満席だな。

 火の出る剣や有名な壺なんかの後大トリでユニコーンだ!

 ユニコーンが出た瞬間から熱狂する観客達。

「さあ。オオトリのユニコーン金貨2000枚から!」

「3000」

「4000」

「5000」

 と吊り上がって行く。

 こっちが心配になるよ。

 二人の一騎打ちになった。

 この前の紳士と今度は女性。

「10,000」

 紳士が勝ち誇った顔でみるも、

「15000」

 相手が上手だった様だ、流石の紳士も15000以上は出せない様で15000で落札された。

 今回は凍らせてないからそのまま持って行ってもらう。

 何に使うんだろう?


 やっぱり剥製かな?

 まぁ俺たちの手を離れたんだからいいか。

 ギースにウィスも、金貨一万五千に驚きすぎている?

「ウキュー」

 ルナは何事があったのかわからないみたいだった。

 

 まぁ、なにはともあれ金貨15000が入ってくるんだから祝いだな。


 家に帰るとビールで乾杯だ。

「金もできたしなんか楽しいことないのかよ?」

「カジノにでも行くか?」

「カジノあんの?」

「この街は何でもあるぜ」

「行こうぜカジノ」

「ちょっと待ってよ」

 創造で予測をつくる。

「よし行こうか?」

「いまからか?」

「おう!ドレスコードか?」

「だな」

「なら、ネットスーパーで買うか」

 三人ともスーツを着てカジノへレッツゴー!

 とりあえず金貨50枚づつ持って行きたいところへ行く。俺はルーレットへ。

 予測して黒にベット。当たった。

「お客さんついてますねぇ」

「よし次はここ」

 知らない間にチップがたくさんになったので現金に変える。

 ギースはスロットをやってるらしいがイマイチっぽいな?

「ギースこっちでやりな」

「お、おう」

 さてウィスは?カードか。

 見ているとイカサマしてるな。

「まぁいい。ここで全額だ!」

「お、おい。いいのかよ」

「いいんだよ」

「あっちはだってバーストだしな」

 あっちはカードがなくなっていることに気がついてバーストするしかなかった。

「ついてるね俺ら」

「スロットのほうも儲けてるみたいだぜ?」

「止まらねえよ」


「お客さま。当店をご利用ありがとうございます。できれば別室にてゲームができればと」

 いいねぇ!

「いいよー俺行ってくるから!」

 ついて行くとVIPルームだった。

「さて、それじゃ、何で勝負する?」

「コイントスだ」

「じゃあ。表」

「残念…表だ」

「もう一度!」

「もうやめといた方がいいよ?」

「なぜだ?」

「俺の前じゃイカサマできないからだよ」

「クッ!わかった!」

「それが利口だよ」

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願えば異世界転移できるもんだ! あに @sanzo

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