詩2 Key


少し長く眠っていた

目が覚めたあとの雨の窓辺薄い光を纏う雲

ゆめうつつの頭の中は昼に読んだ小説の残り香の感覚

午後三時の向こう

まだ、あるかもしれないなって

そう思うから

私は光の向こうを思って目を閉じる


あの時間に行ける


いつも雨が洗って季節の風を呼ぶ準備をして

風が吹いては色を染め変えて


ひとりはあまりにふとさみしくなるから

雨音が今は優しいから


あの時間に行くためのまどろみを

この一瞬に見える気がして


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