海に呼ぶ絵
添水
プロローグ
伊豆は近代に至るまで、あまり人を寄せ付けない土地だった。昔から天城越えは難所の代名詞であるが、ことは天城山のみに限った話ではない。伊豆半島の中央部を走る天城山脈を樹木の幹に例えるならば、そこから無数の峻険な山々が枝分かれして、海にまで張り出している。密集する山々のわずかな隙間に、時の忘れ物のように小さな集落が点在している。
そんな集落同士を結ぶ
遥か神話の時代までさかのぼると、神も海を渡ってやって来た。伊豆に伝わる古文書『三宅記』によるとその昔、遠く天竺より来訪した神はこの地に至り、七日七夜をかけて「島焼き」を行い、十の島々を産み出したと伝えている。
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