脱檻
マルコボーロ大佐
序章
序章 ただ飲んだだけなのに
ポケットから小銭を取り出しコンビニに入った
小銭は大体三百円前後持っている
おにぎり一個と午前の紅茶で
大体三百円前後になる
無人会計システムで会計を済ませ
コンビニから出た僕は近くの公園へと向かった
この時間帯は社会人なら働く時間だ
まぁ僕は不幸な事に3日前
通っていたバイト先が潰れた
バイトができなきゃ
奨学金の返済もできないし...
他にもいろいろ残っているのに...
「はぁ」
こんな肌寒い日に
安かったTシャツと半ズボンを着ている
口座の中にある金も3000円を切った
人生お先真っ暗だ
半ズボンの小さいポケットにコンビニで買った塩おにぎりを入れた
いつもならずっと叫ぶくらいの元気は残っているのに
今日は...今日も無さそうだな
「はぁ」
しばらく歩いて僕は公園に着いた
公園のベンチに腰を掛け
手に持っていた午前の紅茶を飲んだ
時間はもう3時かぁ
えっあっ
午前の紅茶...まぁいっk
「君!なにを飲んでいるんだ!!」
「あっやべっ」
公園周りをパトロールしていた警察官が偶然
午後に午前の紅茶を飲んでいるところを見られてしまった
まずい...本当にまずい
この国では大犯罪なんだったよな
もったいないからって飲んだ自分を殴りたいぃ
逃げるか...いや...今更逃げたって
「こっちに来なさい」
「ちっくしょおおおお」
僕はそのまま警察署へ連れて行かれた
「何とか罪を軽く出来ないんですか!?」
「うーむ...裁判でもしたら軽くなるんでは?」
「こんなガバガバな国の裁判なんて!」
「お前がどうするかは勝手だが」
留置所の中から
警察官に話しかけた
「弁護士を雇えるかどうかが知らないが..」
「金...金があれば弁護士を雇えるのか!」
「もう手遅れだ..まぁでもこの国の裁判は弁護士が居なくても起こせるがな」
「勝てる確率は無いと」
「裁判長が全て決めるシステムになっている...と言う事は賄賂とかして裁判長を味方につけるのも手の一つだ」
「警察がそんな事言って良いのか?」
「どうかな?」
「いいだろう...裁判だ裁判!紅茶くらい午後に飲ませろ!」
「...」
「バタァン」
警察官は無言で
留置場の扉を強く閉めた
「この先どうなるって言うんだよ...」
僕は自分のを見つめて
裁判でどうやって刑罰を小さくするか
考え込んだ
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