地雷系女子ばかりの中では清楚系女子が輝いて見える話
ALC
第1話異端の一色
例えばの話。
黒一色の中に白が一色混ざっていたり。
赤一色の中に青が一色混ざっていたら非常に目立つだろう。
目立つということは少なからず特別に思えるということで…。
これはそんな例えばの話に近いのかもしれない。
まだ僕は睡眠中だと完全に理解することができる。
何故ならクラスで唯一と言えるほどの清楚系女子、
端的に言えばこれは夢であると僕の無意識下の意識が完全にそれを理解していた。
夢の中に十二分に浸っていたい気持ちは山々なのだが…。
現実世界のお腹の辺りがいつもより少しだけ重たい気がして渋々眠りから覚めることになる。
「何してる?」
僕のお腹の上に跨っている女子にいつものように問いかけると彼女はいたずらが失敗したことに気付くと悔しそうな表情を隠そうともしなかった。
「なんでいつも良いタイミングで起きるの?本当はもう少し前に起きてたんじゃないの?」
僕の幼馴染である
「そんな理由無いだろ。寝ててもお腹に違和感を覚えて起きてしまったんだ」
事実を口にして軽く嘆息すると彼女は僕の身体から一度離れる。
「それって私が重いってこと?」
「そんなことは一言も言ってない」
夏は不機嫌そうに唇を尖らせると目を細めて僕に問いかける。
当然のように否定の言葉を口にして首を左右に振るとなんでも無いような表情でベッドから這い出た。
「支度するから部屋から出てくれ」
ベッドの縁に腰掛けていた夏に向けて口を開くが彼女は動こうともしなかった。
「嫌だ。着替えているところ見てたい」
「何言ってんだ…。僕は見られたくない」
「いいじゃん。
「幼い頃の話だろ?そういう系統の話で有耶無耶に煙に巻くのやめろよ」
「見られたって減るもんじゃないでしょ?」
「見たって増えるもんじゃないだろ?どういう理屈でそんな思考になるんだよ」
「いや、増えるよ」
「は?何が?」
「色々と捗るじゃん」
「はぁ…もうわかったから一階で待っててくれ」
「仕方ないな〜」
そこまで夏とやり取りをすると彼女は本当に仕方なさそうにベッドから立ち上がると部屋を出て階段を降りていった。
高校の制服に着替えると僕は洗面所に向かい顔を洗い歯を磨く。
朝食はいつも登校中のコンビニで軽食を買って食べる程度なのでギリギリまで眠りについている。
支度が整うとリビングに向かいソファでスマホをいじっている夏に声をかける。
「準備できたぞ」
「OK。じゃあ行こっか」
それに頷くと僕らは揃って玄関の扉を開いて外に出る。
徒歩十分圏内にある高校までゆっくりと向かうと途中に存在するコンビニで朝食と昼食を買うことになる。
朝食は惣菜パン一つと飲むヨーグルトだ。
昼食にはおにぎりを三つ。
ツナマヨと鮭と明太子だった。
「いらっしゃいませ。今日も仲良しですね」
コンビニ店員のお姉さんで仲良くなった唯一の学外の人間。
「堺さん。やめてくださいよ。毎朝、付き纏われているだけですよ」
冗談を言うように苦笑して口を開くと隣りにいる夏は不機嫌そうに僕のふくらはぎ辺りを軽く蹴った。
「そうなんですか?ストーカーには十分に注意してくださいね?」
堺の言葉に適当に頷いて会計を済ませるとコンビニの外に出る。
「あの女。何なの?毎朝、光に絡んでくるけど…どういう関係?」
夏は急に声のトーンを落とすと怒気を孕んだ眼差しで僕を見つめていた。
「ただの店員と客の関係だよ。毎朝行くから時々話すようになっただけ」
「ふぅ〜ん。それなら良いけど…」
意味深な言葉を残した夏を無視して僕らはそのまま登校する。
教室に到着すると自席にカバンを置いて腰掛けた。
黒板の方で固まっている女子グループの輪の中に夏は吸い込まれていく。
朝のHRが始まるまで手持ち無沙汰でいると隣の席の人間から声を掛けられる。
「藤田くんは日向さんと付き合っているんですか?」
隣の席の人間とはクラスで唯一の清楚系女子、白井麗だ。
「いやいや。幼馴染なだけですよ。付き合うなんて無いです」
必死に思われたかもしれないが否定の言葉を口にすると白井は美しい表情で軽く微笑む。
「毎朝一緒なので勘ぐってしまいました。申し訳ございません」
「明日から一人で登校しようかな…」
軽く落ち込んだような表情でそんな言葉を口にするが白井は首を左右に振った。
「仲良いことは美しいことじゃないですか。これからも仲良くしていてください」
「でも白井さんに勘違いされるのは…」
「私に勘違いされると何か問題があるのですか?」
「あ…いや…」
そこまで口走ったところで都合よくチャイムが鳴り響き教室に担任教師が入室してくる。
恙無い進行で朝のHRが始まると不意にスマホが震える。
画面を確認すると夏から通知が届いている。
「白井さんと何の話ししてたの?」
夏に話をする必要もないので適当なスタンプで返答すると一日が始まろうとしていた。
ここから僕こと
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