僕の愛しい憂鬱へ

@uonome_shimi

第1話

僕の愛しい憂鬱へ


なんだか手紙みたいだ。

気の利いたことは言えなさそうだけどね

誰かを優しい気持ちにしたり、

楽しくさせたり、

それをできるのはきっと、

前世で葡萄畑を営んでいたか、それとも沢山の人たちに囲まれて死んでしまったペットか。


それくらい、人の心を動かすのって

難しいことだと思うんだ。


僕の憂鬱は、いつも突然やってきて、

突然去っていく。

こんにちはも言わず、

そしてさよならも言わない。

友達になれたなら、いつも喧嘩しちゃうんだろうな。そんな奴なんだよね。


突然来たかとおもったら

僕の心を引き裂いて、僕の中身をえぐりだしていく。ほんとひどいんだよ。

いつも嫌になるけど、

気がつくと、ベットの上に横たわっていて

ぼーっと上を向いているんだ


目覚ましが鳴って、

顔の左側に太陽の光がチリチリ、僕の肌を温める。


そして、朝になったことに気がつく。


そして君は、いなくなってたりする。



思い返すと、

いつも君は頻繁にやってきた。

小さな頃、僕は悲しいことがあって

そこからだっけかな、君は僕の隣にきた。

僕はすごく嫌だったんだけど、

なぜか夜は寂しくなかったんだ、

憂鬱な気分は、明日なんて望まない。

だから、とても心地が良かった。


明日がくる、なんていうのは

僕にとって恐怖と同じだったんだ


明日、死ねばいっか。

辛かったら明日しんじゃお!



そうやって今日まで来たみたい



すこしだけ思い返すとね、

憂鬱は、

生きてる希望をむしり取っていくけど

あの頃の僕は

明日死のうって思うのが

今日のささいな希望だった。



憂鬱は、

ぼくが今まで生きていることができた

唯一の救いにもなっていたのかもしれないね



僕の愛しい憂鬱へ

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