青嵐と舞う蜜柑茶と恋文

藤泉都理

第一章　出逢い

　いつもと変わらない日常だったはずだ。

　色ボケ姫、もとい仕える主から恋文を受け取り、主を骨抜きにしている王子へと届ける。

　届けたら王子から主への恋文を受け取り、また主へと届ける。

　簡単な仕事だ。

　その割にはお給金は高いし、主からは時々植物がもらえるし、王子からは時々お駄賃のお菓子をもらえるし。

　すごくすごく。

　この仕事にやりがいを感じていた。

　この日までは。

(2023.9.19)

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