第13話 インビジブルシークレット②
あれから2週間。やっと音源は折り返しのところまで来たところ。今までは歌詞も含めて早くて1週間。遅くなって3週間ぐらいしか時間をかけてないから再生数が少なかったのも頷ける。今まで高い評価をしていた人の感覚はダメじゃない?
そんなこんなで今日も登校していた私は今週5日間登校。私凄いね!
「宵音さん。ちょっといいですか?」
先生に呼ばれて、教室をでて職員室へ。こうして呼ばれるのはテスト結果の返却以来だね。でも今回呼ばれる理由が分からない。
「宵音さん。貴女は4月から休みが多いです。心配です。何せあと30日くらい休んでしまったら留年だからです」
ん?
「高校説明会でも言いましたが、成績優秀でも、態度が酷かったり出席が少なかったら問答無用で留年なんですからね」
「私……、そんな休んでましたか?」
不安となる意識。私なりでは結構登校はしてたと思うのだけど……。
「えぇと。4月は11日間、5月は8日間。で今月が14日間となっています」
少な!
「この学校が結構緩くても、今の宵音さんは結構ヤバい状況ということなので気をつけてくださいね」
そこで私は職員室から追い出されて廊下へ出た。
「エェェェェェ」
どうやら、毎日登校しないといけなくなったようです。また、楽曲完成まで遠のいたと。心の中で嘆いた私がいた。
それからというもの。私の一日の過ごし方が変わった。朝の6時半に起床。そして家族で朝食をとり、身支度をしたら学校へ、授業はしっかりと受け、休み時間にスマホを通して楽曲の音ハメをする。男子が話しかけたりしてくるが邪魔なので適当にあしらって、集中。昼休みで音ハメした部分をイヤホンで聞き、修正を行う。学校が終わり家へ着いたら、速攻部屋でパソコンを立ち上げ、YuYuと楽曲づくりに明け暮れた。
そして、7月1日の午後23時47分。遂に出来上がった。私とYuYuの曲。インビジブルシークレットが。なかなかの仕上がりだと思う。それでこれをこれから動画サイトに上げるわけだが。
「そっちが上げてよ」
「いいや、Amaneが上げるべきだよ」
現在進行形でどちらのチャンネルで上げるか、言い争っていた。何せ自分に自信を持てなくなっていたYuYu。人を良く見て判断しているAmane。互いに相手の方が貢献しただろうと考え、どうぞどうぞと譲り合っているのである。
「「ぬぬぬぬぬぬぬ」」
一向に決まらない言い争い。そこで私は深夜テンションなのか、普段やりたがらない思考で提案をした。
「よろしい。ならば第三者に決めてもらおう。決め手はツブヤイターでだ」
「よかろう」
何故この思考に入ったか。それすらも脳死で進む私達は各アカウントでつぶやきをした。
Amane_ch
7月1日 23:51
『YuYuと楽曲を作りました! 皆さんはどっちのチャンネルで投稿してほしいのかな』
#YuYu_chに投稿!
YuYu_ch
7月1日 23:51
『Amaneさんと曲をつくる事になって先程できました! 皆さんは協力してくれたAmaneさんに投稿してほしいですよね!』
#Amane_chに投稿!
この二つの投稿が2人の活動のこれからを決定付けることになるとは深夜テンションの2人には想像もつかなかった。
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