第10話「新たな試練」
次の日学校に行くとある話題でクラスは持ち切りだった。
「ねぇねぇ!聞いた??あの七海さんの家から男の人が出てきたんだって!!」
クラスに入るなり聞こえてきたその話し声。
僕の心臓は跳ねに跳ねていた。
下手したら高飛びでオリンピック出れるんじゃないかってぐらい跳ねていた。
それはドキドキしたからとか緊張したからとかでもなくて殺されるかもしれないからだ。
いやさすがに殺されることはないと思うけどその男が僕だってことがバレたら半殺しに位はされるかもしれない。
だってその話を聞いてる男子たちの目が完全にキマっちゃってるんだもん。
「ねぇ天音ー、どうなん?結局」
恐らく天音と1番仲の良い友達である
「いやあのね、確かに昨日男の子家に呼んだけどねそういう関係じゃないし全く何も無かったから」
事実なんだけど、全部事実なんだけどなんかこの状況だと信じてくれなそう。
でも男子たちの人を殺しかねない雰囲気が収まったからよかった。
「ふーん?まぁなんでもいいけど」
「もー、志乃のせいでこんな大事になってんだからねー!」
怒ってる天音も可愛いな。
「わりぃ、誰かに聞かれてるとは思ってなかった」
「もー」
あんな片田舎に同じ学校、ましてや同じクラスの人なんていないと思っていたが珍しいことに人がいてその人に見られていたらしい。
そしてその見ていた人があのクールでショートカットの志乃という訳だ。
なんであんな片田舎にいたんだろうな、家がそこなのかたまたま来ていただけか。
まぁ正直そんなことどうでもいい。
天音に迷惑掛けないようにって思ってたのに早速かけてしまった……。
「てか一緒にいた子イケメンだったじゃん」
え…?
「いや、そ…そうだけどさ」
「顔真っ赤になっちゃって、好きじゃん絶対」
「も、もう!志乃のばかぁ!」
ポコポコと殴っている天音も可愛いな。
「否定はしないんだね」
「う…うるさい」
っ!!ま、また男子たちから殺気が漏れ出ている……!怖い……
てかイケメンって言ってたよねさっき、じゃあ人違いかな?
いや昨日天音の家に行ったのは僕だけだと思うんだけどなぁ…?うーん、分からない!
分かんないことは考えてても仕方ない!
割り切ろう!そしてこれからは少し天音と距離おこう。
そうでもしないと天音にまた迷惑をかけかねない。
すると机の中に入れて置いたスマホがぶぶっ、と振動した音がした。
『裕涼、今日も放課後空いてる?街中に遊びに行きたい』
oh......、距離を置こうとしていた瞬間天音から遊びに誘われてしまった。
いや、ね?嬉しいんだけどね、なんというか僕死にたくないな?
『でも昨日の噂とか大丈夫なの?てかあの噂は僕なの?』
『そうだよ、天音は大丈夫!もし裕涼が気にするなら昨日みたいに髪いじったら大丈夫!』
果たしてどこからその自信が湧いてくるのか……
髪をいじったって僕は僕なんだ。すぐバレそうで怖い。
まぁそんなこといちいち気にしてたってしょうがないか!
バレたらバレたでその時対処しよう。
『分かった、じゃあ遊びに行こ』
かくして僕の
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