夜が無い日

今日は年に一度の夜が無い日

朝と昼を過ごしたら、気づけば次の日の朝が来るんだ

だからって別に大して何かが変わるわけじゃないんだけれど

太陽がずっと空にあるだけで ほんとただそれだけで


気付いた時には泣きたくなってた

今は昨日で言うところの午前十二時

こうして涙が溢れるのは夜が来ないからじゃない

でも今日は 今日だけは夜のせいにしよう

そうやって真昼間から泣いている僕


今日は年に一度の夜が無い日

短いような長いような何とも言えないそんな一日

だからって過ごし方が変わるわけじゃないんだけれど

飯が食えて疲れた時に寝れるなら それだけで十分だから


気付いた時には朝になってた

今日の朝は昨日の昼を超えたから来たんだ

いつもの夜が来なかったのはよかったのかもしれない

みんなそう言って手を繋ぎながら歩いていく

でも僕は 僕だけはまた夜が来ることを望んでいた

そうやって昨日を振り返ったらまた涙が溢れてくるんだ


泣きたくない日なんてないのかもしれない


気付いた時にはどうなってたとか

明日の朝にはどうでもよくなっているから腹が立つ

毎時毎分毎秒そうやって全部 全部 全部

どうでもいいって思わせてくれよ

って一体だれに頼んでんだよ

そう思った瞬間にまた涙が出てきて

そういえばと窓の外を見てみると

また夜が来てたんだ 夜が来てたんだ


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