迷い
不良のケイジ
000
ここはどこ?
私は誰?
ねえ
どうして
自分のことが分からないの?
ねえ
悲しいよ
寂しいよ
助けてよ
こんな簡単な言葉すら嘆くことしかできない私は何者なの?
私の正体を誰か暴いてよ
ーーー000ーーー
うああああああ!!!!やめろおおおおおおお!!!
私は咄嗟の衝動で叫んでいた。何で叫んだのかも記憶には無いのにどうして叫んでいたのかも記憶にない。この無駄な時間を私は叫んですごしてしまったのだ。わたしはわたしわた僕俺彼拙僧小生貴殿きっと狂ってしまったのだろう。
私は永遠と苦しい闇の中に葬られてしまったのだろう。精神?心?休み?そんな言葉私の中には存在しないのだ。そう存在していたのならここまでおかしくなることはなかったのだから。
お前たちのせいだ!!!何も知らない無垢で無知のお前たちのせだ!!!!!!
私はそう咄嗟に人のせいにして自分を守った。だけれどもそうした事で得たのはただの快感と苦痛だけだった。
きっと私はただ人を傷つけ、自分を守るためだけに必死の叫びをしていただけなのだ。なんと見苦しい自分の姿。
だけれどもそんな私にも迷いは確かにあった。
気の迷いだ。あれだけ人を妬みながら、あれだけ人を恨みながら私はそれでも人を助けたいと思った。自分が死んでも人を助けたいと心からそう思ったのだ。
なんと無様なのだろう。私の姿は動物よりも醜い、例えるならば化け物なのだろう。みんなの目からはどう写っている?どう感じている?私はただ真夜中でそう考え続けて自分を殺して言った。
大丈夫。私ならきっとやれる。人類を恨み妬みそして滅ぼす。
どこかで私はそう思っていたのだ。
けど
やっぱり迷いはあった。
私にも大事な人は出来た。
でもまた傷つける
そんな事するくらいなら私が死ねばいい、そう思い、私は薬物に手を出した。ガサガサと漁る音、対して味のない薬をただ葬るだけの毎日、私はそれを喜びながら精一杯他人を守った。そう精一杯に。
自分の自衛をしようとしてるのも事実、他人を守ろうとしてるのも事実、私の視界はとても暗くだけれどもどこか生暖かい景色が浮かんでいた。
私はきっと泣いていたのだろう。わけも分からない この感情がどこかで救いを求めていたのだろう。
きっと誰かが助けてくれる、そう信じて泣いていたのだろう。
わたしはきっとわたしのまま誰かに縋る思いで生きてしまうのだろう。
悲しい人生
醜い私
残念で悔しい人生
私はそう感じながら意識を失った。
迷い 不良のケイジ @KOTOBANODANNGAN
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます