詩集「鬱闇ノ楽園」(完)

不可世

第1話「墓場咲き」

死の予兆がする

生きれる兆候はない

もう時期嵐になる

波に飲まれ

涙さえ意味を持たなくなる

今宵はそんな孤独な夜だ


誰かの盲点が

私をつんざき

誰かの弱音が

私を襲う


序列と道徳

必衰に禁じ手を学び

ただ闇に煙る

毒を吸う


そうして灯す火の

中でしか安寧は獲れず

絶えず自身を蝕み

自殺衝動に駆られる


生きても

見え透いている

才能もない

知恵も金も人脈もない

だから見え透いている


雨を仰ぎ

孤独に打ち震え

その麻痺して行く感覚に

歪な笑みが溢れる


腐敗と吐露する

黒ずむ私

もう希望とは無縁だ

日ほどの足掛かりも見えず

ただ幸せですと

虚勢をはって

命を投げるようにまた灰を吸う


この世界の為に

したい事などない

生きてまで見たいものもない

だから今日

命を捨てる


墓になって訴える為に

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