おしデス〜死にキャラの推しに転生したので精一杯守ろうと思います、推しを〜

峰々ねねね

プロローグ

「こんばんわ、おにいさん」


 深夜と呼べる時間帯。既に街の灯りは半分以上が消えていて、住民達は皆寝静まっていた。夜の闇から現れたのは、銀髪に青い目の少女だった。


 明らかに場違いなそれに、男は警戒しながらも返事をする。


「こんばんわ、どうしたんだい? こんな時間に」


 少女が一歩進む度に、男が一歩後ずさる。歩幅が違うから引き離されていく筈の距離が、何故だかどんどんと縮まっている事に気付いた男は冷や汗を垂らす。


「ほんとうはこんなことしたくないのだけど」


 ガツッ。何かにぶつかったと気付いて男は振り返る。そこにあったのは、氷で出来た壁だった。


「ダメね、後ろを向いちゃうなんて」


 スパンと、軽い音と共に男の頭は胴体から離れてしまう。落下していく男の頭、その目は驚愕と共に少女を見ていた。


 血は出なかった。男の首の切断面が凍結していて、出る隙もなかったのだろう。


「……はぁ」


 少女は大きく溜め息を吐いた。それから持ってきた大きなバッグにまだ温かい男の死体を詰め込んで、小さな身体でそれを背負う。


「まだ八歳のガキがする仕事じゃねぇよ、これ」


 作り出した氷の壁を壊して溶かせば、この場で何かがあったと言う痕跡は全て消える。目撃者もおらず、いたとしても特に問題は無い。


 とは言えど、人を手にかけたと言う事実に少女が再び溜め息を吐く。


「こんな事させられてたんだ、そりゃつれぇわ」


 自らの身体を労わるように撫でて、その場から引き上げた。



───────────────────────


 雨が降っているので初投稿です。


 気ままに更新しますが、多分二日に一話くらいの感覚で投稿出来たらいいなーと思ってます。

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