僕は君の哀を食べる

neinu

第一話 哀

「あの子、事故で両親とお兄さんを亡くしたんですって。しかも、引き取る人もいない、て噂よ」

「そうなのか?可哀想だな」

「あら、あなたそんなこと本当は思ってないんでしょ?」

「まあ、そうだな」

「あの目つき、人を睨みつけるような目。あんな子ろくな大人になりませんね」

「そうだな、引き取ったとしても、問題行動なんかで今より負担が増えるだけだな」


「おい、お前父ちゃんいないんだって?」

「お母さんもいないんだろ?可哀想w 」

「みんな言ってるよ、お前は最低なやつだって」

「おい、こっち見んなよ。気色悪いな」

「みんなこいつから逃げろ!殺されるぞ!」


「うわ、何あいつ」

「養護施設のやつだろ。噂になってた」

「あ、野良猫の首絞めてたってやつか」

「そうそれ!あいつイカれてんだよ」

「目つきとかほんと犯罪者だよな」

「それな!」


『可哀想とか言うなら誰か引き取れよ笑』

『殺人鬼なんか誰が引き取るかよw』

『いっそ家族一緒に死ねばよかったのにな』

『それな!w w』

『こういう不幸ですアピールほんとだるいw 』

『生きてたって意味ないだろ笑』


「気味が悪い。こっちに来ないで」







「お前なんか、死ねばいいのに」

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