スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

序章 地獄までの夢

第1話 序章 地獄までの夢 1

 僕は夢を見ているのだと気がついた。


 何故なら目の前に映る光景が、まだ幼い頃に実際に体験した出来事だからだ。


 もう長い間、この夢を何度も繰り返し見ており、ずっと忘れたくても出来ないのである。




 親代わりだった祖母の心臓が止まった。


 もともと病弱だった事も原因だが、無理してまで働き過ぎたのである。


 診療所のベッドに横たわる祖母に蘇生措置をしていた医者は、「残念ですが、これ以上は…」と首を横に振るう。


 それらを僕は、ただボーッと見つめていた。まだ死の概念について理解が出来ていなかったのだ。


 それから翌日、共同墓地へと祖母を埋葬し終えてから、僕は大泣きしていた。


 もう祖母には会えない。と子供ながらに寂しさを感じ、不安に押し潰されそうになる。


 その光景を、参列していた村人達は憐れみながらも、囁くように僕の今後について話していた。

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