がらがら

@zyangara

第1話 がらがら

僕は佐藤累。父と僕男二人でずっと暮らしている、はずだった。随分前の事だ、父が趣味の釣りに実家のほうに行くと急に言い出した。父のこの無鉄砲な性格は前からだったので僕は二つ返事で了承してしまった。

父はにはぼちぼちいいところでかえるからた冷凍食品とかで済ませてくれとテーブルに千円札を2枚、僕の好きなコーラをおいて玄関を出た。僕はテーブルに置かれた千円札をすぐに財布にしまい、コンビニで冷凍食品とスナック菓子を買い、テレビの前でコーラとスナック菓子、冷凍食品を食べ、腐ったようにテレビのHDDに入っているドラマを見て、すぐに時がたった。風呂に入らず、テレビの前で腐りつくしていた僕はふと電話がなっているのに気づいた。その少しベタついた体を起こし、固定電話の受話器をとった。「がらがら。」そう奇妙なことを言い放ったのは父の声だった。僕はおちょくっているのかと思い、「いつ帰ってくるの?」と冷たく話すと、しばし無音が続いたので僕は受話器を固定電話に強く押し付けた。僕は「なんだったんだ?」と思いながらシャワーを浴びて、ベットに飛び込んだ。気づくともう朝で父は帰っていなかった。食うものもないのでこの前の買い物で残った小銭で安い食材を買い、炒めものにした。ピンポーンピンポーン家のベルが鳴り、家のドアが開いた、父だと思っていて「遅いよ」と言うとそれは父ではなく父の姉だった。父の姉はつかつかと僕と父の家に入り、寝室のクローゼットから埃をかぶったトランクをとりだし、僕の手を掴んで車に強引に乗せた。僕は言葉が出なかった。気がつくとそこは父の実家がある土地で僕は寝ていたようで服によだれがついていた。父の姉は「ついてきて」と一言だけ言って父の実家 へと歩き出した。僕は何故か裸足でかなり驚いたが父の姉の足が疾く、追いかけるのに必死だった。父の実家につくと祖母が言い放った。「お前の父がかえっていなくなった」

と。

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