第25話 クラスの女子を丸裸にしたった
女性の服選びが長いというのが定説である。
その例にもれず、ヘリヤら四人の服選びは長かった。
「こっちの服、良くない? アタシに似合うっしょ?」
「こっちのスカート、なかなか良い色ね。でも……こっちの方が良いかしら?」
「着替えなんて持ってきていなかったからな。替えが手に入るのは助かる」
「ん、この店の服、すき。なじむ」
「キュイ……」
女子の服選びを眺めながら、琥珀は近くにあるイスに座って待っていた。
琥珀もネクタイやらリボンやらを付けられていたが、今は女子が自分達の服を選んでいる。
(何というか……目に毒だなあ)
店の中には女性しかいないためか、それとも日本っぽい雰囲気の服屋にいて気が抜けているためか。四人の女性陣はかなり開放的になっている。
試着室のカーテンを開けたり閉めたりを繰り返しており、時折、下着姿でカーテンを開けたりするから目のやり場に困ってしまう。
「キュウ……」
(とりあえず、ステータスのチェックでもしておこうかな)
女性陣の着替えから意識を逸らすため、琥珀はステータスを呼び出した。
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水島 琥珀(アンバー)
年齢:16
種族:人間(フロストフェニックス幼体)
職業:ヘリヤ・アールヴェントの召喚獣
召喚回数:4
レベル 17→20 UP!
体力 C
魔力 C→B
攻撃 D
防御 D
速度 C
器用 E→D
知力 D→C
魅力 A
スキル
・異世界言語
・フロストバースト(中)
・気配察知
・ヒーリング(弱) NEW!
・鑑定(人間) NEW!
―――――――――――――――
「キュッ!」
(おお、スキルが増えてるぞ! それも二つも!)
『ヒーリング』というスキルの効果は想像がつく。おそらく、回復魔法だろう。
問題は『鑑定(人間)』だが……これも使ってみればハッキリするはず。
「こっちのも着る。ねまきにする」
「キュイ」
(鑑定!)
琥珀がヘリヤに向かってスキルを発動させた。
―――――――――――――――
ヘリヤ・アールヴェント
年齢:16
種族:人間
職業:召喚士
レベル 10
体力 D
魔力 B
攻撃 F
防御 E
速度 C
器用 C
知力 B
魅力 A
スキル
・異世界言語
・召喚魔法
・補助魔法 Lv2
・治癒魔法 Lv3
―――――――――――――――
(おお! やっぱりステータスを鑑定するスキルだ!)
予想通り。ステータスを見るためのスキルだった。
わざわざ(人間)と限定しているということは、アイテムを鑑定したり魔物のステータスを見たりすることはできないのだろう。
(このスキルを使えば、他のメンバーのステータスも確認することができるぞ! よし、順番にチェックしてみよう!)
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村上揚羽
年齢:16
種族:人間
職業:剣士
レベル 10
体力 B
魔力 E
攻撃 B
防御 B
速度 E
器用 C
知力 E
魅力 B
スキル
・異世界言語
・槍術 Lv2
・身体強化 Lv2
・忍耐 Lv1
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―――――――――――――――
柊木翔子
年齢:17
種族:人間
職業:軽剣士
レベル 10
体力 C
魔力 E
攻撃 C
防御 C
速度 B
器用 B
知力 E
魅力 B
スキル
・異世界言語
・剣術 Lv2
・身体強化 Lv2
・加速 Lv1
―――――――――――――――
―――――――――――――――
甘井紫雲
年齢:16
種族:人間
職業:魔術師
レベル 10
体力 D
魔力 B
攻撃 E
防御 F
速度 D
器用 C
知力 A
魅力 B
スキル
・異世界言語
・火魔法 Lv3
・風魔法 Lv2
・魔力回復 Lv1
―――――――――――――――
(うん、やっぱりヘリヤさんと甘井が魔法職。揚羽さんと柊木が戦士職みたいだね)
レベルはいずれも10。琥珀よりもかなり低かった。
それでもレベルのわりに能力値が高くて、スキルの覚えも良いように見える。おそらく、初期のステータス値は彼女達の方が上なのだろう。
(多分ではあるけれど……この世界の人間と比べても、このステータスはかなり強いんだろうね。そうじゃないと、わざわざ異世界から召喚する意味もないし)
「ヘリヤっち。こっちの服も着てみなよ。絶対に似合うからさ!」
琥珀が考え事をしていると、柊木がヘリヤにゴシックロリータの服を勧めていた。
昨日の夜はあんなにも精神的にボロボロになっていたというのに、今日は元気いっぱいである。
(僕のことを抱きしめてたからとか? アニマルセラピーってやつかな?)
そういえば……琥珀には『ヒーリング』というスキルがあった。
無意識にスキルを発動しており、柊木に対して精神的なケアを施していたのではないだろうか。
(うーん……僕をイジメてた柊木のことを治癒しちゃったって、複雑な気分だな。別に良いんだけど)
むしろ、ヘリヤのことを考えるのであれば柊木には復活してもらわないと困る。
それに……以前にはあった、柊木に対する憎しみがやや薄れているような気もした。
(あれだけボロボロになっているところを見たせいかな? 自分をイジメていた相手とはいえ、怪物に喰われて精神崩壊しかけてるのを見ると、ちょっと哀れになるよな)
もしかすると、理由はそれだけではないかもしれない。
昨晩、琥珀は柊木にギュウギュウと抱きしめられていた。
その時の感触、温もりはまだ思い出すことができる。
(そういえば……柊木のおっぱいは大きかったな……)
おっぱいが大きかったから。
柔らかかったから。
あるいは、それは自分を虐げた人間を許すのには十分な理由なのかもしれない。
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