少年たちとそれを見守る大人たちの、脱力系刑事ドラマ。

本作は、主人公レクを見守る少年ルカが、能力者と戦いながら自身達や鎮魂歌(レクイエム)の過去に向き合い、共に成長していく姿を描いた物語です。二人の心の内側に潜む闇や葛藤、そしてそれに立ち向かう勇気が丁寧に描かれており、かつ心理描写が非常に秀逸であると感じました。お腹が空いてる時に読むと、意外とダメージがあります。

物語の舞台である19世紀末のフランスの描写や仲間達との掛け合いの描写もとてもコミカルで、時に熱く時に緊迫感にドキドキハラハラし、多少の無理矢理感はあるものの、楽しめました。

とにかく登場人物たちも魅力的で、それぞれ個性的なキャラクターが描かれています。個人的にはあまり登場はしませんが、ガブリエルさんが好みです。レク君の言動を見ると、ああ、師弟だなと感じました。とても好きです。

ただ、断片的にしか鎮魂歌(レクイエム)の過去は明かされていない為、その辺りの描写が少なく、レク君が何故マルクスに対して冷たいのか、ガブリエルさんの態度や、あの事件とは何かが現時点ではわからず、ちょっと置いてけぼり感があります。今後解明されて、スッキリしたいので、このまま追いかけていきますね。

全体として、「鎮魂の黙示録」はコメディとシリアスが混ざり合った作風と心理描写、個性的な登場人物達の掛け合いが魅力だと感じました。完結まで応援してます!