掌編「遠回りが一番の……」
「惚れたあの娘と付き合うためには、まずは将を射んとする者はまず馬を射よ――ということで、遠回りかもしれないが確実な手を使って近づいていこうと思う……つまり」
「ほおほお、興味深いな……微妙にずれてはいるが、まあ分からないでもない。
ようは思い立ってすぐに告白するのではなく、下地を作っておくってことだろう? 小さなことからコツコツと……、近道をして一発成功は狙わない、か……慎重なお前が一体どんな手を使うのか、お手並み拝見だぜ」
「――つまり、付き合った時点を想定し、その場から逆算するべきなんだ――だから俺は答えを出した……、これだ。『新幹線で』、『座席のリクライニングを』、『限界まで倒す』――これで俺は、あの娘に近づける――……はずなんだ」
「は? ……それ、遠回り過ぎるというか……バタフライエフェクトに頼り過ぎじゃないか?」
…了
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