ミヤとアルベリッヒの廻廊
爆裂五郎
序幕
時は1000年前に遡る。当時、自然の理を完全に掌握した魔導師が存在した。
彼の指導により、世界のほとんどの人間は魔法を扱えるようになった。
魔法使いには炎や水、雷を生成し操る者、また空間を自在に移動する者、あるいは時を把握しコントロールする者、様々いたとされる。
だがそれらは本当に実在したのか、今では眉唾もので、おとぎ話か何かのように語り継がれている。
現在、魔法を扱える人間は少数ではあるものの、この世界に確かに存在している。
しかし魔法と言ってもその規模は小さく、薪に火を付けたり、寝っ転がりながら机の上の筆を僅かに引き寄せたりする程度のものである。
そんな中、魔法全盛期の頃の人々に匹敵する力を持つ者もいる、という噂が立っていた。
それは、そんな人間がいたら面白いだろうな、といった世間の願望に過ぎないのかもしれない。
だが、そんな世間一般とは裏腹に、強大な魔法の存在を断固否定しつつ、そんなものよりこれが一番だ、と剣を掲げる少女がいた。
彼女の名前はミヤ。これは、そんな一風変わった少女の成長?の物語である。
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