第2話 転生
「バーニングファイヤー!」
そう叫ぶと自分の右手から目標の木を燃やし尽くすほどの炎が出た。
(雑な世界だな)
この世界に来たとき、それが一番最初にこの世界に来た感想だ。
いわゆる、転生ものの小説に詳しかったわけではない。しかし、電車の広告書店に並ぶ表紙、あとはたまに深夜帯にやっているアニメでなんとなくのイメージはあった。
まるっきしこの世界はそれと同じだ、が。
(いくらなんでもこの世界は雑すぎるだろ)
「おめでとうございます。」
そばにいた使用人からハンカチを受け取り手のひらのすすを拭いた。
「ん。」
全く、この世界は物理法則を無視し過ぎている。ニュートンがこの世界に生まれていたらりんごが落ちる前にバーニングファイヤーしてアップルパイでも作っていたところだろう。
「これは今晩の晩餐会でお父様にご報告ですね。」
「晩餐会、ね。」
木をまるごと燃やした達成感が消えるほど、不快感が腹の底から湧いてくるのがわかった。
転生した件 @shuw1000
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。転生した件の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます