(3)猫耳族の試練の始まり

二人は、猫耳族の里に着いた。

マルの実家は、里の中でも有力な家らしい。


豪華な大広間に通され、一族が見守る中、腰をかけた。

上座には、マルの三人の兄達が座り、厳しい面持ちでバツを睨みつける。


周りから、ひそひそ声が聞こえた。


「相手は人族の男だって本当だったんだ……あのマルがねぇ……」

「でも、良い男だぜ! 体格もいい」

「たしかに、顔はいいな……しかし、人族か……」


「オホン! 静粛に!」


長兄が咳払いと共に、怒鳴った。

すぐに、静まりかえった。

それは、こらから始まるだろう、試練の幕開けの合図であった。

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