猫耳男子にプロポーズ
いちみりヒビキ
(1)プロポーズ
「俺がお前の事、一生守る!! だから結婚してくれ!!」
「え……」
可愛らしい猫耳を持つマルは、驚きのあまり口をハッと開けた。
心配そうな顔でマルの顔を見つめるのは、イケメン青年のバツ。
「……嫌か?」
マルは、首をぶんぶん横に振る。
「アホか! そんなの嬉しいに決まってるだろ!」
マルの目から涙がこぼれていた。
バツは、その涙をそっと拭ってやった。
****
マルは、しなやかで小柄な体格をもつ猫耳族の男。
特徴的なのは、猫耳以外では可愛らしいくりくりのつぶらな瞳。
一方、バツは、すらっと背が高くたくましい人族の男。
顔は、絶世の美男とは言わないまでも、かなりの美形でひと目を引く。
そんな二人は、兵役に就く者が集められた訓練所で出会った。
そこで、背中を預け合い、互いを守り合うバディとなったのだ。
同じ釜の飯を食らい、同じ宿舎で寝泊まりし、そして、同じ過酷な訓練を受けた。
苦楽を共にするうちに、次第に心を通わせるようになり、やがて恋心が芽生えた。
そして、ついにプロポーズするに至ったのだった。
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