第2話 TS魔法少女、怪人になり晴れて居候する



愛がNTRれてから一ヶ月が経った

あれから一度も家に帰ってない

下手に帰ったら俺が美奈を殺したとバレるだけだ

そして俺の周りにも変化があった様に俺にも変化があった

怪人になったのだ

容姿は長い金髪に碧眼のままだが耳がゲームで言うエルフぐらい長くなってる

それ以外変化は特になし

あと俺は第二席ランスの家に居候している

いやだって、俺今家族と縁切ってるもん

帰れるわけ無いじゃん



「ランスさん、朝です、そろそろ起きてー」



広々としたキッチンで先程料理した目玉焼きとベーコン、サラダ、パンを食卓に並べエプロンを装備したまま二階で寝ているランスを起こしに行く

エプロンとはいいものでな、人を処理している最中とかにも服が汚れんしいいのだ

オリハルコンで作ったからか防御力もそこそこあるしな

二階の隅にある部屋を開けズガズガと入るとランスが寝ている

仮面を外したランスは白い髪、赤い目をしていてロキエナさんとなんとなく姉弟だからか似ている

だが印象が違う

ロキエナさんはお姉ちゃんの美人な友達ポジでランスは...イケメンだが何処となくポンコツで女たらしだからギャルゲーの主人公ポジだろうか?

くそムカつく

どうせならロキエナさんと俺は同居したかった

ランスの表の顔は沢山あるが俺は今その一つ神山 良井としてのランスと同居している

表向けは恋人だとさ

それでランスの隣の家の女の子が乱入してきてさ、大騒ぎになったんだぞ

あれは怖かった

半分トラウマになるレベルに

女子を怒らせたらヤバいということは非常に理解した



「ほれ、ランスさん、起きてください」



「...」



ペチペチと頬を叩くといきなりランスの目が開いた

やだ、怖い



「起きました?」



「すみません、只今起きました...」



ランスは急にムクリと起き上がった

そして俺はそんなランスに抱きついた

へへへ、同居しているからサービスだぜ



「おはよう、です」



「急に何なんですか?離して下さい」



口では冷たいことを言ってるがランスの顔は真っ赤だ

ふふ、オッサンにはバレてるぞい

少しは居候させてもらってるしサービスしてやる



「あの、立ち上がれないんですが...」



「分かりました。俺、ランスさん(のお姉さん)のこと好きですから抱きついて欲しい時は遠慮なく言ってくださいね?あと恋人として生活するならある程度のスキンシップが必要ですよ?」



そう、俺だって別に好きで野郎に抱きついているわけではないのだ

全ては愛への復讐のため、あとロキエナさんのためだからな

一方のランスは



「(夢か?シロちゃんが可愛すぎて尊死しそう...これも全て姉さんが協力してくれたおかげだな...シロちゃん可愛い、可愛すぎる。僕じゃなければきっと今頃襲っているところだよ...)」



相変わらずブツブツと呟いている

まあきっと組織のことで色々と疲れてるんだろう

俺は分かるぞ

そんなランスくんのために常時裸エプロンで過ごしているというのに...!

お風呂は居るときも一緒なのにな

もちろん俺は処女だぞ?



「早くしないとご飯冷めちゃいますよ。ランスさん♡」



気分は同居しているヒロインポジだろうか

うん、からかってやっているけど正直言うといっぺん死んどれ、ランス

まだ眠そうにしているランスの裾を引っ張ってもう既に食事の用意がされた食卓に着かせる

そんな時だった



「あのー?隣の六条です、良井くん起きてるー?」



隣りに住んでいるまあまあ顔面偏差値が高い美少女がズガズガと不法侵入して来た

けどかわええ

オッサン、ムズムズしちゃうな♡

あっ、今はオッサンじゃねーけどな

ランスの方を振り返るといつの間にか髪色を銀髪から茶髪に変えている

魔法、便利だなー



「朝っぱらから六条さん、なんですか?人の家に不法侵入してきて...僕はもう大切な人が居ますので貴方の好意は受け取れないと言ったはずでしょう」



「ええっ、そーだったけ?でも良井くんはこんな破廉恥な女が好きなのぉ?私のほうが何倍もいいわ!いっそ今襲ってくれてもいいのよん♡」



「襲いませんよ、貴方みたいな魅力がない人。しかも僕は恋人を裏切るような真似をしたくないんです、ねぇシロさん」



「ふぇ、え、あ、う、俺も、裏切られたくは、ないです...彼が居なきゃ俺は(ロキエナさんに会えなくて)生きていけません」



突然ランスから話を振られてビビった

俺の言葉に六条という女は唖然としランスは何故か顔を朱に染めている

どした?俺なんか変なこと言ったか?



「シロさん...」



「?」



そして急にランスに見つめられたかと思うとキスされた

しかも本格的なディープな方

六条は死んだ目で俺とランスを見てその後とぼとぼと帰っていた

おう、急にキスされた時は驚いたが六条を追い出すためだったんだな

さっすが幹部、脳からして違うわ



「ランスさん、かっこよかったですよ♡」



語尾に♡マークつけてやったぜ

これからは心の中で兄貴って呼ぶわ、ランス

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