東京駅
いつもの10時、私は東京駅の前に立っていました。彼の顔を見れるだけで幸せになれるなんて私は幸せ者だと思いました。
10時から1分が経ちました。あの日の彼を思い出します。あれは雨の日でした。軒下から垂れる雫を避けようとせずに謝る彼が可愛かったと思いました。そしてまた1分が経ちました。あの日の彼を思い出します。彼の汗の匂いを思い出します。決して私はその香りを臭い等と形容する事は無いと思いました。そして、1分が経ちました。また、遅れて来るのかと少し笑ってしまいました。彼の急いで来る姿を楽しみに私は生きていました。そして、1分が経ちました。私は彼と送った日々を思い返しました。あの彼にこの彼に数え切れません。そうして、1分が経ちました。
今日は曇りの日でした。
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