第8話

散歩



久々の外なのに風も匂いも何もしない。


ディーが見ている景色が目の前に映し出された。


ディーのカプセルの中だ。


サイズ間どうなってるんだろうなぁ、まぁ教えられても理解できそうにないけどなっ。

宇宙化学ってことにしとこう。


「ディー?」


「なんだ」


「ちょっと気になったんだけどさ」


「なんだよ」


「ディーはなんで、地球で蟲人を倒してんだ?」


「それな、実はこの蟲人の情報をこの地球に持ってきたのは、ロプのコンパクなんだよ」


「なんでロプの記憶って分かるんだ?」


「あの蟲人の形は俺がロプに罪の意識を植え付けるために教えた形だからな」


「罪の意識を植え付けたのか?」


「あぁ、5000年、前あの星は肉食の俺らの先祖と、俺達の鱗の素材が欲しいメシ達の先祖は戦争をおっぱじめて神を巻き込む戦いをした」


「神様をどうやって」


「知らない、習ってねえ。


メシたちの先祖は神の力を利用して蟲人を作った。


俺ら先祖も絶滅しかけたけど、蟲人に対抗するために自分たちの皮膚を強化して特殊スーツを生成することで、蟲人を殺せるようになった。


俺ら先祖の勝利で戦争が終わった。


この戦争で出来たものがもうひとつあって、それが神が流した涙出できた実、カリユだ。


メシ先祖を甘い蜜で誘って、実に含まれる毒で狂わせ殺すんだよ、


今じゃ耐性ついて死ななくなったけど、狂わす効果は残ったままだ。アロに使う毒もカリユの実の成分な」


「マジか、俺よく死ななかったな。

ディーには、その毒効かないのかよ」


「オレ?メシの体内にある毒を摂取できるんだから耐性あるだろ、しかも生物濃縮してるからより強い毒を持ってる。それを成分調整してアロに使ってる」


「なんかムカつく。


まぁそれはともかく、その情報を持ってきたから、その責任とる感じか?」


「イヤ、地球がどうなろうとどうでも良かったなぁ、アロに出会うまでは」


「じゃあ何のために」


「笑うなよ」


「わかんねぇけど、聞いてやるよ」


「ッ、ロプの遺骸とコンパク一緒に埋葬してやりたいだろ、だからロプのコンパク回収しに来たんだ。


ロプの主人として当然だろ」


「なんだ、割と普通だな」


「オレを何だと思ってんだ」


「エロい宇宙人」


「言い得て妙、食われて喜ぶヤツは、いないだろ普通。


あの星じゃ、そこを食われる痛みイコール、イク教育してんだよ。


オレがアロにやったやつな。


それを耐えられない奴はミンチになるからメシたち必死っう話だ」


「なんだその星怖いなっ」


「一生に一体しか与えられないから、こっちも必死だぞ。


心が離れないように気を使いながら威厳を保っていく、だから観察は大事なんだよ。


(だから先祖は心読めるようになったんだろうけど、アロはオレが心が読めるの忘れてるよなぁ、言わない方が面白いから言わないけど)


もうそろそろ着くぞ、怖くても泣くなよ」


ニヤリと笑った。


「泣くかよ」


思いっきり顔を顰めた。

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