2 少年、故に

沢山の思い出をエジーと一緒に作った。

学校の卒業式までの間、エジーは何度かいない日があった。

家庭の用事で、ファータウンや、首都オアシスに行っていたみたいだ。

ずっとこのまま何も変わらず友達のまま、過ごしていくんだ。

遊び呆けていた学校も今日で終わりだ。

少人数のクラスだったから、卒業式は簡易的に終わった。

卒業式が終わってから、エジーと一緒に帰っていた。


「ガランは、また学校いかないの?」

「俺は家の手伝いするよ。勉強とかあんまり得意じゃないしな。エジーはこのままフォータウン中学行くんだろ。たまには遊ぼうぜ。」


横目で見たエジーの顔は、暗く沈んでた。

申し訳なさそうな、何か言いづらそうな顔のままで口が震えている。


「エジー・・・?」

「実はさ、たまに学校行かなかった日があったろ。受験してたんだ。来週からフォータウンを出て、首都オアシスに行くんだ。僕はここからいなくなる。エジーとも会えなくなっちゃうんだ。でも遠くに行っても、僕たちは友達だよ。」

「ずっと一緒って言ったじゃないか!オアシスでもどこでも、好きに行けよ!!もう俺たちは、会うことは無い・・・。」


捨てる様に吐いて、駆けだした。

涙が止まらなくなるまで。

体が動かなくなるまで。

両親も俺を置いて行った。エジーも同じだ。

俺は、俺は、何も変わらない物が欲しいだけなのに。

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