第104話 ベビー用品のプレゼン

「あのぉ。ミルクあげるのに良い物が有るんですけど試してみませんか?」


「良い物?」


「哺乳瓶って言うんですけど、今クラフトで作りますんでちょっと待ってて下さい。」


砂やスライムのゼリー部分など材料にクラフトの魔法をかけて哺乳瓶を作る。

ヴィヴィ用ので1度作っているのであっという間だ。出来上がった物にクリーンの魔法をかけるのも忘れない。


「これなんですけど。ここにミルクを入れて蓋をします。この蓋の部分が飲み口になっているので瓶を逆さまで少し斜めにして咥えさせてあげてください。」


「まぁ、ゴクゴク飲んでるわ!!あげやすいしこの子も飲みやすそうねぇ。これは良いわねぇ。」


そりゃあ、スプーンよりあげやすいし飲みやすいだろうともさ。


そこからこの世界の子育て事情を聞いてみましたらば、まぁなんと不便な事か…。


結局、抱っこ紐におんぶ紐、ベビーカーにおしゃぶりにガラガラのおもちゃとスライムの素材などで作るオムツを全力プレゼンしたよ。



結果…


「それは商業ギルドで商品登録してあるのかしら?していないの?!!だめよ!今すぐ登録しに行きましょう!!!」


と、メリアさんに引っ張られ商業ギルドの商談室のひとつに連れこまれました!


因みにマーリアちゃんはマイトさんが面倒を見ているのでお家だ。

フィン君達の回復おめでとう会だったはずなのでお詫びにキングホーンラビットのステーキ肉を置いて来た。


「おやサブマスさん?産休中じゃなかったんかい?」


お茶を運んでくれたギルド職員のおばあちゃんがメリアさんに向かって声をかける。

メリアさん商業ギルドの副ギルドマスターだったんかい?!


「これが休んでいられますか!世紀の発明ですよ!さて、改めて商品登録いたしましょう!」


ごめんなさい。元の世界にあった物で私が考えた訳じゃあ無いんです…。なんか罪悪感。


とりあえず、実物をクラフトして作ってみせる。


「とりあえずは私の持っている素材で作りましたが、実際になんの素材で作るかは要相談でしょうか。丈夫でコストのかからない物が良いでしょうし。」


「このオムツはこの辺りのスライムの素材で作れるの?」


「ブルースライムで吸水性とグリーンスライムで蒸れないように機能をつけることと、フラフィフィー(綿の花)に消臭効果のある薬草などを使っています。これはこの町の周りの森で集めた素材で作った物なので、材料は採取依頼や常時依頼で集められるかと思います。死の森の素材で作った物より品質は少し落ちますけど使うのに十分な品質は保証します。」


「子育て経験は無いのよね?良くこれだけの商品が思い浮かぶわねぇ。」


「哺乳瓶は従魔のヴィヴィの離乳時期の面倒をヴィミエナと見ていた時に、おんぶ紐とかはヴィミエナの背中に乗って移動をする時にヴィヴィを抱えて乗れる様にで、オムツは実はオムツではなく、私の女性の月のモノ対策で作った物の応用なんです。」


「まぁ、月のモノの対策になる物もあるのすごいわ?!それも是非見せて頂戴!!」


メリアさんが色々と大興奮中ですが、勇者召喚に巻き込まれた人間なのは内緒なので、心の中でだけどもう一度言います。


凄いのは私じゃなくて元の世界でこれらを開発してくれた方々です!!

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