第47話 始まりの町
マイトさんから関所の通行許可証を受け取り、チェリちゃんが飛んでいった方を気配察知で調べながら進む。
小さめの森を抜けると100m程先にこじんまりとした門が見える。ゆっくりと門に向かって歩いていると町の中から白髪だが、筋骨隆々な男性が慌てて出てきた。
門に近づいた所で一度足を止める。勿論、ヴィミエナは私の隣にお座り状態で待機。
門番であろう人達が止めようとする中、白髪の筋骨隆々男性がこちらへと近づいてくる。
鑑定したら冒険者ギルドのギルマス、ヘルマン・ハッセさんと出ました。
ギルマス直々にお出迎えされてしまった。大丈夫かな?
「お前が冒険者登録希望のサクラとやらか?」
「はい!この子達は従魔のモモ、ヴィミエナ、ヴィヴィ、マリモです。マイトさんから貰った通行許可証はここに!」
「マイトからの連絡通り本当にケオトートティーガを連れているんじゃな。」
頭をワシワシと掻きながら信じられんという表情でヘルマンさんがこちらを見ている。
『クウェ!』
『ぷりゅりゅ〜』
空を旋回していたチェリちゃんがモモの前に降りて来た。
どうやらマイトさんの元へ戻る前に挨拶をしに来てくれたようだ。
この2匹はすっかり仲良くなったみたい。
「チェリちゃんお仕事ご苦労さま。マイトさんの所に戻るならこれお礼に持っていって!ありがとう無事に町に着けましたって!」
『クウェ〜』
死の森で採った蔦を編んで作ったカゴに死の森でとれたマンゴーに似た果物ママンゴを入れてチェリちゃんに渡す。
木の板に炭で書いたお手紙も付けた。
ちょっと読みづらいかもだけどお礼はちゃんと伝えないとね!
筆記用具作っておけば良かったなぁと後悔。
後でブラックスライムのカラー粉末でインクとガラスペンも作っておこう!
ギルドの登録用紙が紙っぽかったから、鑑定で材料調べて作れるなら作ろう!
紙有ると便利だもんね!
「うむ。チェリも警戒しないか…良し!とりあえず冒険者ギルドで改めて話を聞こう。サクラと従魔達よついてこい。」
ヘルマンさんに案内され町の門をくぐると、冒険者ギルドへ向かう。
周りからの視線は相変わらずだが、ノベルディアンの時の嫌悪感を感じる様な視線ではない。
どちらかというと困惑みたいな感じの視線かな?
「そりゃあこの町は冒険者になりたての奴らが多い町だからな。お前さんの様な大物新人なんぞそういないぞ?SSランクの魔物2匹にそのスライムもクロスアラネアも普通ではないじゃろ?」
周りの視線の話をしたら笑いながらヘルマンさんに言われた。
元Aランク冒険者だったというヘルマンさんは見ただけで相手のなんとなくの強さが分かるそうだ。長年の経験で得た特技だと笑いながら話してくれた。
「着いたぞ。ようこそ、冒険者始まりの町と呼ばれるデビュアータ町の冒険者ギルドへ。新たな冒険者の誕生を歓迎するぞ。」
ノベルディアンのド派手な建物とは違い木造のシンプルな建物。
スイングドアを開けて2階へ案内される。
従魔達も一緒に入れるだろうからと案内されたのはギルマスのお部屋でした!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます