タカユ機式倉庫

ウタカ タカユ機

第1話 ふわふわ宇宙人


オッス、オラ宇宙人。

はるばる遠い宇宙から、辺境の惑星「地球」にやって来たぞ。


で。

うかつに地表に降りたったら、地球って毒の気体で満たされた星だったんだよ。どっひゃー。ちょーヴィックリー。いきなりピンチ。いやー、防護服ってやっぱり着てこなきゃダメだねえ。


「あの…」


こいつは人間。

この毒惑星でわざわざ生きてる根性のある生命体だ。

なんでも、酸素とか言う地球を満たしている毒を自ら取り込んで、逆にエネルギーに換えるとかいう闇属性にありそうな特技を身につけてるんだって。厨二か。


「いや地球上の生物はみんなそうだから。

ねえ宇宙人さん」

「何かな人間」

「宇宙人さんは何しに地球へ来たんですか?」

「ん?」

「しかも、生身で。直で。

ドローンとか、使えばよかったんじゃないですか?

宇宙を渡って来たってことは、地球よりよっぽどすごい技術があるんでしょ?」

「いやだってさあ、いけると思うじゃん」

「何が?」

「わたしの祖先、地球から旅立ったんだもの」



おわり

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