異世界の万事屋とそのツレ達

プロローグ

プロローグ

日本、春の暖かい風が足元をさらう休日の昼下がり。虚しいことに出かける友達も居らず、今どきの典型的な中学生がするようなゲームや自分磨き等とは程遠い趣味の“散歩”を、十二分に楽しんでいる。優しく降り注ぐ陽光、踊り舞う蝶、近くの公園から聞こえてくる子ども達のはしゃぎ声……。あぁなんて気持ちがいいんだろう。この柔らかな雰囲気が、自分にとっては最適の環境である。この声が騒音だという老害共にはいつか鉄槌を下してやる…と、心の中で常日頃思っているのであった。


はぁ、この時間がずっと続けば良いのに。学校は別に嫌いでは無いし、特に悩みがある訳でもないが、この心地良さから現実に引き戻されると思うと少しだけ帰りたくなくなる。それでも今日の夜ご飯は私の大好きなサバの味噌煮……夕飯の時間はまだまだ先だが、今日は少し早めに帰ってみようかな、なんて思ったり。


春の陽気を十分堪能したところで、足を早めた。帰ったらおやつでも食べようかな。でも大好きな味噌煮が入らなくなったら大変だよな…。


そんな他愛のない事を考えていた……

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