第5話 西の侵略者

 関羽達が騎馬異民族を制圧して勢力拡大に努めていた時、西の大国が三万人の大軍を率いて侵略してきた。


 西の大国の名は羅馬ローマ帝国。



 彼らは金の髪と白き肌をし、兵達は巨体であり、鉄の鎧と槍、巨大な馬に乗り侵攻し、半数以上は剣闘士奴隷で、その将軍の中に関羽にも匹敵する巨体、赤髪、左眼隻眼の女将軍レイアがいた。


 レイア自身も剣闘士奴隷であったが、闘技場コロッセオで無敗の猛者であり、自らが羅馬に侵略された国の生き残りで、また、悲劇が繰り返されるのか?と複雑な心境である。


 羅馬軍は様々な部族を滅ぼしながら、遂に関羽の支配している幾つかの部族をも滅ぼした。





 関羽達はこの脅威に、今のままではかんも滅ぼされかねない。


 そこで、関羽は鄧艾に知恵を借りる事にした。


「我も詳しくは知らぬが、奴らも赤い血の流れた、痛みを感じる人には違いあるまい。ならば……」






 羅馬軍が野営していた時に夜襲をかけた。


 騎射を得意とする騎馬異民族を配下にした青龍党は少数で糧食に火矢を放ち、火を着けた。


 糧食のほとんどを失い、仲間や馬を食べ、飢えて死んでいく羅馬兵士が半数になった時に、関羽率いる青龍党と騎馬異民族、併せて約六千人が襲撃。


 その際、関羽はレイアと一騎打ちを始めた。


 レイアの本来の武勇は関羽にも匹敵するのだが、飢えていたので、大剣グレートソードで三十合程戦った時に力尽きた。


 囚えられたレイアは関羽のゲルに連れてかれ、戦いに血を滾らせた関羽に抱かれ、レイアも敗者の習いと悟り受け入れた。


 捕虜になった羅馬兵、約八千人を新たに加え、鹵獲した武器や鎧、馬、銭も得て、それらを使い異民族の領域を屯田し、また、羅馬の言葉、文化等を学び、騎馬異民族の部隊を朱雀すざく党、羅馬兵を白虎びゃっこ党として指揮した。



 その際、関羽は青龍党、朱雀党、白虎党の前で、これから方針を述べ激を与えた。


「我等は生まれた土地も、肌や髪の色、文化も違う。だが、この関羽を信じ、忠誠を誓えば、必ずそなたらに富や土地、家、食料、奴隷を与えて褒美をやる。今は中華は乱れている。力を蓄え、共に栄華を!」


 まず、青龍党の武将の張郃、文醜、朱雀党の異民族の長達、白虎党の関羽の情婦兼武将レイアが、関羽の激に応えた。


「「「栄華を!」」」


 すると、関羽率いる全ての兵達も応えた。


「「「栄華を!」」」


「中華を奪うぞ!」


「「「奪う!」」」


「「「奪う!」」」



 こうして、力を蓄えた関羽達は、約五年後、再び中華に武力介入していく。




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